国民総幸福量といって精神的幸せ度がどの程度かを推し量る指数として有名になった国にブータン王国があります。
先日読んだ本で西水美恵子氏(元世界銀行副総裁)著の「国を作るという仕事」の中でブータンの理想像は世界で最も注目される国だとありました。
その一説の中でこんな文章がありました。
ある会議でブータン人に出会いその会話の中で、世界銀行からの支援に関して
「援助はありがたいが、 自立精神を傷つける危険をはらむ。 我が国の開発戦略は援助から速やかに卒業することを目標にしている。 このことを副総裁として心得てもらいたい」
と付け加えたそうです。
幸せになるということは自立できる環境を整えることでもあるのです。
支援を期待するよりも自分たちで自分たちの国を作る。
その理念が一国民にまで浸透をしていることに驚きを隠せません。
街で出会った農夫に国民総幸福量について話を聞いたら、
「電気や道路、欲しいものはきりがないが、利己主義はいけない。国の財産にも限度がある。物が足りなくても我らには幸せがある。村人が力を合わせて、みんなの幸せを守ることが一番大切なのだ」 と答えたそうです。
何ともすごい国民です。
物欲にさい悩まされ、精神的豊かさをおろそかにした結果、考えられない犯罪が巻き起こり社会問題となっている。
自分たちは謙虚に反省をしなくてはならないと心より思っています。