私たち美容師が何気なく使っている「ヘアピン」はどのような工程でできているのでしょうか?
ヘアーピンが生まれた経緯は、ルネッサンスの時代、貴族のヘアースタイルを維持するために生まれてきたと聞きております。
当時は職人仕事で一つ一つを一人の職人が作っていたのです。
しかし次第に需要が増えてきて、一人の職人が作りだす数に限界がありました。
そこである職人が考えたのは、工程を分解して分業化したことで今までの何十倍もの多くのピンを作り出すことができました。
そして今度は、その過程を機械化することでもっと多くのピンを作ることが出来るようになったのです。
当然、コストも安くなり、大衆化され誰でもが使えるようになりました。
つまり、産業革命はこのような考え方によってもたらされた産業構造の変化なのです。
また、音楽でも同じようなことが言えるのです。
オーケストラが生まれてきた経緯を考えてみましょう。
クラッシック音楽の歴史を紐解くとその理由がわかってくるのです。
当時は宮廷音楽が主流でした。
そのため弦楽四重奏やそれに類する少人数での構成が主たる音楽でした。
しかし、もっと多くの人に音楽を聴いてもらいたいと考え、大きなホールを作りました。
当時は音響設備というものがありませんでした。
大きなホールにたくさんの人が入っても聴こえるように交響楽団が生まれてきたのです。
革命を起こすということの基本には需要と供給の関係を無視して考えられません。
そして不備を感じたり、バランスが崩れた時にこそ、新しいものを生み出すチャンスでもあるのです。
私たちが使っているヘアピン一つでもいろいろな革命を経て今のものになってきました。
私たちの仕事も常に見直す勇気をもって取り組まなくてはならない。
いつもそう考えている日々です。