私にとって家族同様に過ごしてくれた児玉家一家は自らの家族と変わらない親しさを感じていて、住み込みではなく家族の一員という考え方が次第に強くなってきたのです。考え方一つで人生を楽しく過ごす事ができる典型かもしれません。

人間関係を築くという事は決して難しい事ではなく、相手を受け入れる勇気と相手の好意を素直に受け入れる心の寛容さえ持っていればできうることなのかもしれない。このような性格に育った事は、子供のころの寮生活が慣れていたことで苦難なく過ごせていたのかもしれません。

そんな中でいくつかのエピソードがあります。

啓師にこっぴどく叱られたことがありました。今になってしまっては何が原因だか定かではありませんが、私が発した言葉が啓師の激怒にふれたことは間違いありません。竹刀を持って追い掛け回されました。必至で逃げる自分!そして追いかける啓師!客観的に見ると面白い姿です。

 先輩が中に入ってくれて収まったのですが、どうも先輩方の不満を私が代行して児玉ママに進言した事が理由のようでした。

食事の内容だったか、休息時間の過ごし方だったかは定かではありません。しかし時にはこのように激情する啓師には、カリスマ性があり、影でいろいろな事を言う人もいましたが直言をする人は居ませんでした。

時には鉄拳も飛んでくるのですから、門弟達は従わざるを得ないのも現実だったのです。

リーダーのあり方をいろいろ学んだのもこの頃でもありました。