そして当時面白い事もありました。出会いは忘れてしまいましたが、茗荷谷にはたくさんの学生がいました。教育大やお茶の水女子大をはじめ跡見学園等が周辺にはひしめいていました。
そんな関係で学生寮もいくつかありました。その中のひとつに愛知県の学生寮があり、その寮に籍を置く学生と親しくなりました。自分と同じ年でありながら彼は一橋大に通っていて、第一外語として英語を選択していました。そして第二外語でフランス語を取得すると言う話になり、私も将来はフランスで勉強をしたい!と考えるに至っていた関係上、一緒に勉強をする事にいたしました。
彼の寮は門限があり10時には正門が閉まってしまいます。正門が閉まる前に何とか駆け込んで彼の部屋で一緒にフランス語の勉強をするのですが、彼との差は歴然です。それでも一緒に勉強をしている事でフランス留学なんていう夢も少しずつ広がってゆきました。残念ながら、今覚えているフランス語は(je t'aime)ぐらいです。
しかし、最も大切だった事は、学生寮の学生達をモデルとしてキャッチすることが主たる目的でもあったのです。200余名も居る寮ですからモデルにはこと欠かす事がありません。日々、必要な人数を電話するだけでモデル確保ができるように自分自身で仕組みを作ってしまったのです。
それが講じて先輩方からも頼まれる事もあり、まるでモデル事務所を行っているようでもありました。
そんな努力の結果、おかげさまで、秋の国家試験を一発で合格、それと共に今で言う技術者としてのデビューを果たす事もできたのです。入店して半年余り、実に早い技術者としてのデビューで次なる目標が明確になってきたのです。
それは理髪コダマの風土でもある、コンテストでの優勝と言う大きな勝負に挑むことでした。