高校野球は夏の大会が大きな節目になってきます。3年生が野球に打ち込めるのは夏の大会までで、それ以降は就職活動や進路についての活動が主になってきます。
1年生の夏の大会は残念ながら準々決勝?で敗れてしまい、3年生諸君が退部してゆきました。つまり夏休みの練習は新体制を作る貴重な期間でもあります。
2年生を中心とチームつくりをするのですが1年生の中からも優秀な選手はレギュラー獲得に向かって懸命に練習を重ねてゆくのです。野球に関して入部してまもない私にはとてもチャンスなど回ってきません。
ところが我が野球部にはとても強い絆があり、レギュラーであっても上下関係があっても練習には一体となって取り組んでいたのです。
だからこそ強いチームになってきた。当時の監督は矢部監督で、教師を兼任していました。私達の年代の担任はしておりませんでしたが、卒業後、監督を慕って集まるメンバーもたくさんいてとても人望のある監督でした。その監督に2年生になってとても怒られた事が一度ありました。
後輩が入部して練習が終了、3年生は練習終了後、帰宅をするのですが、2年生・3年生はグランド整備をはじめ後片付けをしなくてはなりません。それは終わって反省会を行うのですが、その際、2年生になった私達は強く指摘をし制裁を加えました。ところがその光景を監督が見ていて、すごい剣幕で怒られ、逆に監督自ら私達にビンタ!を食らいました。
時代の端境期にいたと言っても過言ではありません。時代は変化してきていたのです。私達は先輩から味わった制裁が、1年経ったときには否認される存在になっていたのです。
当時の高校生はとても素直でした。一度のその体験を通して監督の優しさや信念、そして人間関係の築き方等について学んでいたのです。
夏休みの練習は新体制を作るうえで最も重要な時期でもあるのです。2年生の夏の大会が終わりいよいよ最上級生として新チームのスタートを切るが段階で私には練習を抜け出す事ができたのです。