1年生は当時玉拾いが常識、野球部のグランドは東武線の線路沿いにあり、打撃練習でファールになると、土手を越えて線路まで飛んでいってしまう。
1年生は、この土手を越えて飛んでくるボールを拾いに行くのが仕事になってきます。ファールを打つと大きな声がかかり、球筋を見極めてボール拾いをするのですが、始終あるわけではありません。土手に寝転がっているわけですから時には居眠りも出てきます。
しかしそんなときには、なぜか先輩方が土手裏にやってくるのです。それは当時の野球の練習は水分補給をすると疲れる。と言って水を飲む事を禁止されていました。夏の暑いときなどはどうしても水を飲みたくなるのです。
そんなときに為に、土手裏にやかんを用意しておいて練習途中にやってきてはやかんから水の補給をしているのです。
野球部の練習には鉄拳は常識でした。何かヘマをすると練習終了後1年生が集められ2年生から鉄拳制裁があります。今の時代では考えられないような仕置きもありました。
砂利に正座させられ、膝の裏側にバットを挿入、体勢をそらし、バットをぐるぐる回すのです。痛いとか苦しいとか声に出す事も許されない。すさまじいリンチでもありました。
このような事もあるのですからささやかな抵抗もあるのです。土手に水のみにこられるやかんに泥を入れておいたり、草薮に隠したりと時にはいろいろと抵抗を試みた事もありました。