「不毛地帯」


先日まで放送されていた山崎豊子の「不毛地帯」が終了いたしました。


唐沢寿明が演じた、壱岐正の生き方には共感する部分がたくさんあり勉強になりました。


戦前、石油を巡る各国間の紛争が第二次世界大戦を引き起こしましたが、今でも石油を巡る争いは耐えることがありません。


宗教戦争と同時に、石油資源の確保がその前提にあり天然資源を有する国に対して、先進国の利害が絡み、紛争になる事が昔からありました。


資源に乏しい日本は常に資源確保が国策として必要でもあり、商社マンとしての使命より国益を考えての事業に取り組む壱岐正の生き方には男のロマンを感じます。


山崎豊子の作品は常に社会性を帯びたものであり、「沈まぬ太陽」は日本航空がモデルですが、栄華を誇った日本航空の今の姿はその結末を見ているようでもあります。


「運命の人」にいたっては新聞記者として真実を暴き、最近の政治でも話題になっている機密文書の存在を明らかにした人物として数奇な運命に左右される主人公を描いています。


「大地の子」「華麗なる一族」「白い巨塔」等、常に私達読者は、彼女の作品に吸い込まれてゆきます。


私は彼女の作品の大ファンでもあり、司馬遼太郎と共に私の師とも言える作家でもあります。