こういう考え方をもっています。
「スタグフレーションの方向にある現在の経済状況下で貯金は最低最悪の運用法である」
投資?資産運用?
ニュースで聞くときは大抵、悪いやつが純朴な市民をだましてトンズラって話ばかりで、相変わらず一般的に日本人にとって資産運用は敷居の高いものというイメージが抜けないようです。
そりゃぁ、フィリピンでカニ投資やら未公開株のオイシイ話やら、3ヶ月で30%!などの利回りをうたった高利回り商品など、実体を把握できないものやおいしすぎる話などは疑ってかかるべきです。
私は株式投資をやっていましたが、上場企業のなかにもそういった怪しい投資会社と何ら変わらない企業が多数存在しました。
特に新興市場と呼ばれる市場に上場している会社の多くは実体のあやふやな事業を行っているいわゆる「ベンチャー企業」というやつでした。
どんな投資でもやはり怪しいものを嗅ぎ分ける嗅覚が必要です。
投資でお金をなくした人の話を耳にすると、大抵は
「危ないね。うまい話は無いね。貯金が一番」
という流れになります。そこで、自分は損をしていないことについて安心し、完結します。
でもそこで終わってしまっていいのでしょうか。
そこで終わってしまっては、色々なことから目をそむけていると思います。
ひとつは、リスクとリターンについて。
リスクの高い商品はリターンが高いものです。
ですので逆にいうとリターンが高い商品にトライすれば失敗する確率は高くなります。
以前、ライブドア株の暴落によって損害をこうむった人達が集まって原告団を形成していましたが、あれは典型的な例です。
ライブドア株に多額の資産を投じた理由はおそらくリターンが高いと考えたからでしょう。
高いリターンを得るために高いリスクを負う。自然な流れなんです。危ない話にだまされたひとはテレビでニュースになりますが、危ない話(ハイリスクハイリターンの商品)で大きな利益を出した人ってニュースに出ますか?出ませんよね。つまり情報がかたよっているのです。そして人が得した話より損した話のほうが受け入れやすいという現実があります。
もうひとつは、これは大きなことなんですが、貯金についての考え方です。
貯金=本当の意味での元本保証ではないということです。
あなたの100万円の貯金で何リッターのガソリンが買えますか?半年前に買えた量が今でも買えますか?
貯金額は変わらなくても、市場の物価が変動すれば実質的な紙幣価値というのは変動します。
5年くらい前までデフレデフレと言われて、牛丼の価格が200円台に下がったあの頃と違い、今はむしろインフレに傾いてきています。
デフレのときは貯金に金利こそつかなかったものの紙幣価値が保たれ(または若干上がり)、問題視されなかった「貯金」という選択肢が、今は低金利&インフレによって、否定しなければいけない選択肢になってきているのです。
預けっぱなしの貯金。毎日目減りしている現実を直視しましょう。