金も駄目、石油も駄目、輸出競争力も駄目・・・

ドルの信用を支える要素のほとんどが失われてしまった時

唯一、確かな経済的裏付けを持っているように見えたのが日本の経済力でした

とりわけ、その輸出競争力は驚異であり、脅威でした

 

本音を言えば、アメリカ人は日本経済を抑えつけたかったはずです

日本は敗戦国のくせに、なぜ戦勝国にして圧倒的な覇権国家である米国の産業を脅かすのか?

アメリカ人は、納得がいかなかったはずです

しかし、共産主義の脅威が迫るなか、仲間割れはできません

 

アメリカの国力の衰退の大きな原因がベトナム戦争にあることは

多くのアメリカ人の共通認識になりつつありました

出口の見えないベトナム戦争にけりを付けないかぎり、苦境を脱することはできません

思えば、ニクソン大統領は、とんでもない難題を突きつけられていたのでした

 

ドル秩序維持のための奇策が何者かによって考え出されました

「強い円」を事実上の兌換通貨とし、円でドルを買い支えるという奇策です

かつて金との兌換制を表に出し、事実上石油との兌換制によって国際通貨ドルを安定させたように

「事実上の金との兌換制」が成り立つ円を、ドルを裏から支える通貨としたのです