円の対ドル価格の引き上げは、他の通貨に比べて一番大きなものでした
ドルショックに対し、もっとも割を食ったのが日本円であったとも言えます
これは、勿論、日本の輸出競争力の強さによるものです
日本と同じように強い輸出競争力を持つドイツは
すでに何度か切り上げを実施していたため
この時の切り上げ率は日本より小さかったのです
当時の日本は、輸出優先の経済運営をしていましたので、本当にショックでした
日本は資源に乏しく、原材料を輸入し、加工品を輸出しなければ経済が成り立ちません
輸出は、日本経済の生命線でした
円の切り上げを受け入れることは、自動的に日本製品の値上げを意味しました
日本製品の輸出競争力は大幅に損なわれたのです
輸出不振により、日本は不況に陥ったのでした
ニクソンショックは第二次大戦後の世界体制の転換でした
政治的は冷戦構造からの転換、経済的にはドル基軸体制の変質でした
そして、とんでもない副産物がありました
原油の値上がりとアラブ諸国の国際経済的立場の上昇です
特に、原油を事実上100%輸入に頼る日本への影響力が絶大でした
石油を失う悪夢は、当時の日本人に、戦時を思い出させるものとなりました