私がカラオケで歌うのは、ほぼ、昭和の歌ばかりです
演歌もあればポップスもありますが
とにかく、和洋どちらも、昭和の歌です
私は昭和の少年であり、昭和の青年だからです

心に残る歌というのは
少年時代や青年時代に記憶に残った歌なのでしょう
感受性が強く、未知の人生に夢を持っていた時代
夢を持っていること自体が当たり前で
それが夢だとすら理解していなかった時代です

ある意味で、夢破れて現実を知るわけですが
それこそが、昭和の歌のモチーフだっのではないでしょうか
誰もが、夢を見ていた時代なのです

昭和の歌には、どこかインチキ臭い、作り物じみた要素もあります
ペンキで塗った遊園地のアトラクションのような
軽薄で、わざとらしい、いかがわしい感じがあります
子供の時は、それが嫌でした

しかし今は違います
そのいかがわしさの中に、万民に共感される要素があるのです
だれも胸に秘め、しかし、人に語れぬ思い
人に話しても、理解も共感も得られないであろう思いがあるのです

夢のある時代だからこそ
破れた夢の話など、誰も聞きたくないわけです
誰もが、自分の夢は夢だと思っていません
自分にとっては、確かな未来であり、確かな現実なのです

しかし・・・夢は破れる
私は、大人になって、それが分かりました
明るい未来を想像できなくなった大人の想い
若き日の苦い恋の想い出すら、夢が持てた時代へのなつかしさなのです
遠い過去を想うようにして味わうのが昭和歌謡なのです

なぜ今、私が昭和歌謡を歌うかと言えば
私が歳をとってからです
もう、若くないからです

私は、若い人とは、あまり付き合いがありません
カラオケは、ほとんど一人で歌いに行きます
それも、なじみの店で、なじみのスタッフのいるところです
そこで、私は私のために歌うのです
夢見ることが少なくなっても、なお、夢見ることを忘れないために・・・