法律は、よほど頭の良い人が作りませんと
本来の目的とは正反対の効果をもたらします

戦後の日本の住宅事情を悪化させたのは借地借家法です
借り主の立場を極端に有利にした法律は
結果として、借家供給を貧しいものにし
そうでなくとも増え続けた都市人口を収容するには、まるで足りず
多くの人々が住宅問題で苦しむことになりました

本来、借り手に有利なはずの法律が
多くの借り手にとって、とんでもなく不利な効果をもたらしたのです
都市に集まる人々は、狭く、質の悪い住宅で我慢するか
通勤に時間のかかる郊外に持ち家を求めるしかありませんでした
重い住宅ローンを背負いながら・・・

そうして手に入れた住宅も
子供が巣立てば、夫婦2人だけの住宅になり
やがて、一人暮らしとなり、空き家予備軍となるのです

不動産大手は、オフィスビルを次々建てたにもかかわらず
住宅系は、ほとんど分譲にしました
賃貸では、まともな経営ができない法律だと分かっていたからです

分譲住宅とは、所有権が細分化した土地建物です
再開発が難しく、やがて老朽化し、スラム化します
都市そのものが老朽化していくのです
郊外では、かつてのニュータウンが
ゴーストタウンか外国人居留地と化していくのです

私は最近、日本の雇用に関する法律に、借地借家法と同じ危険をみています
雇用を守りたいという立法の趣旨は分かりますが
勤労者の権利ばかりを守り、雇用主の権利が守られないのであれば
雇用は増えず、失業問題や低賃金問題は解決しないのです

法律は、きれい事を並べても駄目です
法律の目的にふさわしい効果を社会に与えることが出来るか
そこを見極める必要があるのです