「ガリバー旅行記」は、英国文学というより世界文学の名作です
誰でも、子供の頃に、1度は触れたことのある物語でしょう
正式な翻訳を読んだ人は少ないでしょうが
絵本などで抄訳は知っているはずです

小人国、巨人国、空飛ぶ島ラピュタ・・・など
単独でも物語の題材になる魅力的な話が満載です
11月28日の産経新聞の記事によりますと
この世界文学の名作のオリジナルは、日本の御伽草子だそうです

慶應大学の石川透教授(国文学)と原田範行教授(英文学)は
異分野の研究成果を統合し、新説を導きました
「ガリバー旅行記」は
御伽草子「御曹司島渡」「蓬莱山」と共通性が多いのです

「御曹司渡島」は、源義経が兵法書を求めて様々な島を訪れる物語です
このうち小人の国、巨人の国、馬人の国は「ガリバー旅行記」と共通します
「蓬莱山」の絵巻には、空中に浮かぶ島や宮殿が表現され
不老不死にも触れられています

石川教授は絵巻の紙質や筆跡などから1600年代の制作を確認しました
ガリバーが訪れた島の中で唯一実在するのが日本です
エド(江戸)やナンガサキ(長崎)の地名や踏み絵も登場し
各所で日本に触れています

原田教授によると
ガリバー旅行記の作者スウィフトは
1689年に駐オランダ英国大使を務めたテンプルの秘書になっています

石川教授は
「御曹司渡島」など御伽草子の絵巻が長崎からオランダに渡った可能性が高い
絵巻の知識があれば、スウィフトは
「ガリバー旅行記」に生かせたはずだ・・・と語っています

外国にオリジナルがあり、その翻案物が日本にあるという文学作品は多いです
古典から現代物に到るまで、多数あります
しかし、私の知るかぎり、その反対のケースは少ないです
世界的名作のオリジナルが「日本製であることは
日本人として、ちょっぴり誇らしいことです