吉田茂の憲法9条擁護論についてふれておきましょう
吉田茂が憲法9条改正に反対したことは有名です
宮田修氏は、その理由として

1,国民の厭戦気分
2,反戦ムードのマスコミ
3,政治経済状況の不安定
4,国会の3分の2条項

を挙げています

私は、これには同意できません
吉田茂が、そんなつまらない理由で憲法改正を避けたなら
昨今の腑抜け政治家と変わりないことになります
吉田茂は、そんなちっぽけな政治家ではありません

吉田が憲法9条改正に反対したのは
日本人がアメリカの傭兵にされて
アジア地域で米軍の代わりに戦わされる事態を避けるためでした
日本人が血を流し、生命を犠牲にして
しかもアジアの人々からは嫌われるという
日本及び日本人にとって何のメリットも無い事態を避けるためです

この点で、吉田茂は老獪であり
本物の愛国者あり、政治家でした
憲法9条をダシに使って、アメリカを手玉にとったのです

そもそも、吉田が憲法9条を受け入れた背後には
当時のシナ大陸の状況がありました
毛沢東率いる共産党と蒋介石率いる国民党が死闘を演じていたのです
吉田は、これにアメリカが介入すれば
日本人が、米軍の指揮下
シナ大陸で戦わされる危険を予想したのです

シナ大陸の内戦は1949年の共産党の勝利により終わりました
吉田に言わせれば、そんなものはいつまでも続くまいということです
吉田茂はシナ大陸での外交官経験が長く
吉田の知るシナとは、軍閥が割拠し、永遠に泥沼の内戦が続く世界です
そんなところに日本人が巻き込まれるのは断固避けるべきなのです

その後、朝鮮戦争、ベトナム戦争と
日本はアジアの戦争に巻き込まれることを避けられました
憲法9条サマサマです
ベトナム戦争までを予想していたかはともかく
吉田茂の洞察力は見事としか言いようがありません

朝鮮戦争勃発後、アメリカは吉田茂に憲法改正を迫ります
吉田は、これを拒否します

「そこが吉田さんの偉いところなんだ」

と、田中角栄は評価しています
憲法改正論者の田中ですが
吉田の隠された意図を理解していたからです

吉田茂自身の本音の憲法観は

”新憲法 棚の達磨も 赤面し”

という句に明らかです
恥ずべき憲法と考えていたのです
吉田の9条への態度は、国際情勢と国益を考えたものだったのです

話は変わりますが
宮田修氏は、田中角栄が

「ヨッシャ」

と言ったと書いていますが
これは、記憶違いではないでしょうか?
田中角栄は「ヨッシャ」とは言わないそうです
越後弁には、そういう言い方が無いそうです
頼み事を即座に引き受けるのは間違いありませんが
そういう言い方では無かったはずです