先日、読み始めた松本清張の

「点と線」

を昨日、読み終えました

なかなか面白い小説でした
さすが、ロングセラーだと思いました
言わずと知れた、松本清張の代表作であり
日本の文庫本史上の記録的ベストセラーでもあります
太宰治の「人間失格」と双璧です

私は若い頃に「人間失格」は読んでいるので
これで、二大ベストセラーを読んだことになりました
さすがに、どちらもベストセラーにしてロングセラーです
読みやすさの中に文学的深みがあります

「点と線」は推理小説ですけれど
トリックやアリバイ崩しなどよりも
登場人物の性格や心理にリアリティーがあります
ちょっと、ありえない話しとは思いますが
登場人物個々人の心理と行動には
妙に納得してしまう現実感があるのです

この小説は昭和32年に書き始められていますから
私と、ちょうど同い年です
事件の主役を演じる列車や飛行機の時刻表は当時のものです

鎌倉の場面では、作家の久米正雄の名が出て来ます
今日では”忘れられた作家”かもしれませんが
当時は、鎌倉文士の代表の様な人で、有名な作家でした
「点と線」は当時の現実をそのまま取り入れた作品なのです

久米正雄の息子と私の父は旧制中学のクラスメートでした
NHKのディレクターをしていた久米正二氏です
むかし「ニュースセンター9時」という庵組で
木に登る芥川龍之介の動画が紹介されたことがありました
キャスターの磯村久徳は

「久米ディレクターの家から出てきたものです」

と、解説していました