今朝見ると
柏の最後の一葉は散っていました
もう、柏の木には、若葉しかありません

「最後の一葉」

という言葉から
私は、昔、英語の教科書に載っていた
同名のO・ヘンリーの短編小説を想い出しました

病気の若い女性が、窓から見える壁の蔦をさして
毎日落ちていく蔦の枯れ葉の、最後の一枚が落ちる時
自分の命も終わるのだと
同じアパートに住む老画家に言います

もう、蔦には、最後の一枚の葉しか付いていません
翌朝、すでに、すべての葉が落ちているだろうと
その若い女性は、窓の外を見ました
すると、まだ一葉の枯れ葉が残っていました
女性は元気を取り戻しました

その夜、老画家は亡くなりました

最後の一葉と見えたのは、老画家が描いた絵でした
老画家は、寒さの中、一晩中かけて
落ちた最後の枯れ葉そっくりの絵を描き続けたのです
その結果、自身の健康を損なってしまったのでした

教科書に出ていたO・ヘンリーの小説では

「賢者の贈り物」

というのも憶えています
貧しい若いカップルのお話です
美しい髪の女性と金時計を持った男性の話です

男性は、金時計を売って、女性のために髪飾りを買い
女性は、髪を売って、男性のために時計の鎖を買いました

貧しい時代
人は、何かを失わなければ、人に何かを与えられませんでした
そうした中で、互いに助け合い、生きた時代があったのです
それは、けして、小説の中だけではなかったはずです

今の時代の日本では
命のやり取りをするほど深刻な事態は、滅多にありません
しかし、互いに助け合うという精神は、失いたくないものです

コスパばかり考えて、買い叩き専門の消費者や
労働者を使い捨てるブラック企業のことなどを思うと
貧しくとも互いに助け合った人々の物語を
少しだけ、想い出してもいいのかなと考えた次第です