浪人中の私は、哲学書だけではなく
数学の本も読んでいました

遠山啓先生の

「無限と連続」(岩波新書)

には、感銘を受けました

数学者カントールは、集合論を使い
有理数、無理数、超越数などの、数の階層を明らかにしたのでした
彼は論理の力で”無限”を数えたのです
集合論は、そのための手段でした
私は、そこに感動したのです
”数学は論理”という
幼時からの私の信念が証明されたように思えたからでしょう

フィールズ賞を受賞した数学者の広中平祐氏は
テレビに出演して

「集合論は数学の中で一番つまらない分野だ」

と、話していました
確かに、教科書で習う集合論
それ自体は、つまらない形式論理かもしれません

しかし、数式的な厳密な思考の持つ恐るべき力
集合論の衝撃は、数学界を超えて、哲学の領域に及びました
集合論の影響を受けて
思考の厳密化、思考の記号化を考える哲学者達が現れたのです

遠山先生の本には
集合論と記号論理学の関係は書かれていなかったと思います
最近、私は、記号論理学のことを少し知り
集合論と記号論理学との関係の深さを知り
青春の日の感動を想い出しました
私と同じく「集合論」に感動した人々がいたのです
そして彼らは、新しい知の体系を作ろうとしたのでした