高校生ともなれば
その先に大学受験が控えているわけですから
当然ながら、苦手の数学を克服しなければなりません
ところが、私には、数学を勉強した記憶がほとんどありません
家で教科書を開いた記憶がないのです

私には

「数学なんか、ちょっと勉強すればなんとかなる」

という思い込みと
実際には、どうにもならない焦りとがあり
結局、何もできず、焦るばかりで、時が過ぎていったのです
まったく何もしなかったわけではなく
ラジオ講座を聞いたこともありましたが
しかし、すぐにやめてしまいました

ラジオ講座の講師に勝浦捨造という人がいました
腹痛をこらえながら話すような、独特の口調の講師でした
この頃、偶然、父の中学時代の持ち物が出てきて
その中に「軍事数学」というパンフレットみたいな本があり
その著者が勝浦捨造でした
彼は、戦争中は軍事数学を教え、戦後は受験数学を教えていたわけです
私には、世渡りの上手い奴だという軽蔑心しか起きませんでした

実際のところ
私には、数学の勉強の仕方が分からなかったのです
算数も数学も、勉強をしたことがなかったので
いざ、勉強しようと思っても
何をどうしていいのか、さっぱり、分からなかったのです
私の場合、中学時代の基礎すら、あやしいところがあり
大学受験レベルの数学の能力に達するのは
容易なことはありませんでした