何年か前、大磯の吉田邸が焼失しました
私の知人の女性は、そのことを涙を流して悲しんでいました
あの邸には、外国の要人から送られた書画など
沢山の貴重なお宝が飾ってあったといいます

大磯の吉田邸は、吉田茂没後は、プリンスホテルが管理していました

彼女はプリンスホテルに勤めていて
引退した外国の要人などが吉田邸を訪れるたびに、お給仕をしていたのです
壁に飾られた書画を、着物の帯で傷付けてしまわないように
注意して、お給仕をしたそうです

時は流れ、人々の記憶も、文物も、失われていきます

歴史は、人間ひとりひとりが作るものです
公式の歴史書には、一人一人の人間の生きた歴史は記録されていません

私は、歴史に関しては
私的なことも、極力記録に残すべきであると考えています
そうしないと、誰かがでっち上げた嘘の歴史を見破れず
間違った歴史観に支配されてしまう危険があるからです

そんなことでは、自分のルーツすら、分からなくなってしまいます

歴史は、あくまで、一人一人の人間が作るものです
ひとりひとりの行動が、大きなうねりをつくり”歴史”となるのです
一人の人間の行動に注目し、性格や意図を読み取ることは
歴史を理解する上で、重要な作業であると、私は考えます

私は、歴史を作る”個人の力”を重視します
時流に流されることのない”個人”が、時代を切り開きます
そうした”個人”を、後生の人々は偉人や英雄と呼ぶのでしょう
彼らの独自の発想と行動が、後世の人々に共感され
民族の心の中に、誇らしい”自分達の歴史”が残ると、私は考えています