読売新聞によれば
キリンビールが本社ビルを売却するそうです

その理由として、挙げられているのが
海外企業買収によって膨らんだ有利子負債の圧縮です

新聞記事というものは、そのまま信じてはいけません
頭を使って読まなければいけません
そうすると、記事のバカバカしさが、すぐ分ります

本社ビルの売却価格は150億から300億円と見込まれています
それに対し、キリンビールの有利子負債は1兆1447億円もあるのです
本社ビルを売却して返済に充てても、焼け石に水でしかありません
負債額の2%程度を返済して、どうするのでしょう?
ほとんど年間の金利程度の額ではありませんか・・・

つまり、記事の解説は間違っているのです

私が解説してあげます

これは税制と経済合理性によるものです
現状の税制では、企業は不動産を所有せず
賃貸でまかなう方が、圧倒的に有利なのです

賃料支払いにともなう消費税は、全額控除されます
それに対し、所有不動産に伴う固定資産税や都市計画税、支払い利息などは
消費税がかかりませんから、一銭も控除できません
そのため、支払い総額の5%分を、納税資金として内部留保しなければなりません
これが企業会計には大きな負担になるのです

実際の経営実務をしたことのない人には理解しがたいことでしょう

分りやすく説明しますと
会社の売り上げが105万円あるとして
84万円の事務所賃料を払っている場合、消費税納税額は1万円です

売り上げ消費税5万円に対し、支払い消費税4万円が控除されるからです
差し引き1万円になるのです

ところが
自社ビルですと、賃料が発生しない代わりに、固定資産税や都市計画税がかかります
さらに、ビルを作った時の借り入れがあれば金利が発生します
それらの合計が84万円であったとします
ところが、これら経費には消費税がふくまれませんから、一銭も控除できません
したがって、消費税納税額は5万円になるのです

この場合、表面的な経費は同額です、にもかかわらず
自社ビルの場合の消費税納税額は、賃貸の場合より5倍!にもなるのです
金利や固定資産税などが課税対象でないため、こうした現象が起こるのです

消費税とは、簡単に言えば、不動産を所有することが不利になる税制なのです
おそらく、共産主義者が考え出した税制なのでしょう
消費税導入以降、日本経済がふるわず、財政赤字が拡大し続けている理由です

財政赤字を理由に消費税を増税するなど狂気の沙汰なのです

残念ながら、現状では
所有不動産を処分し、賃貸を選択することが
経営者にとっては、合理的な選択なのです

かつては

「企業城下町」

などという言葉もありました
もう、そんな悠長なことは言ってられません

企業は、借りモノの工場や事務所で仕事をし
経営上不利とならば、さっさと、その土地から出て行くでしょう
企業による地域社会への貢献などは、期待しにくくなりました