日本の大工さん達が昔から言い習わしてきた言葉
”雀と大工は軒で鳴く”
について、考えてみたいと思います
日本の木造建築の美しさの一つに
軒に整然と並ぶ垂木の美しさがあります
寺社建築のような特殊なものではなく、一般の民家の話です
民家を造る一般の大工さんにとっても
軒下を美しく仕上げることは重要なことだったのです
民家の場合、広い敷地のお屋敷でもないかぎり
建物の全体像を見ることはできません
しかし、軒下は誰もが見るのです
伝統的な日本建築では
縁側の軒を支える桁は「丸桁(まるげた)」という皮を剥いただけの丸太を使います
これは見た目も美しく、風情のあるものです
私は、丸桁は美観のために使われているものとばかり思っていました
ところが、自宅をリフォームした時に、ある重要な事実に気付いたのです
丸桁の上に乗った垂木は、美しく整然と並んでいるのでした
丸桁は、軒を美しく保つために使われいていたのです!
丸桁に使う材料は、なるべく真っ直ぐなものを選びます
しかしながら、木というものは自然界で育つものですから、完全に真っ直ぐなものは存在しません
必ず曲がっているのです
丸桁は、曲がって出た腹を上に向けて使います
真っ直ぐに水平に見えても、実はアーチ状になっているのです
こうすると、屋根の加重を受けても中央部分が垂れ下がることが少ないのです
角材を使うと、時を経るごとに、中央部分が屋根の重みで垂れ下がる可能性が高まります
パイプが曲げに強いように、年輪を残した丸太は構造的に曲げに強いのです
しかし、丸桁を使う意味はそれだけにとどまりません
木材は、乾燥にともない強度を増しますが、変形もします
力を受ければ、当然ながら、その方向に変形します
横に使うと、当然ながら、中央部分が重みで垂れ下がってくるのです
ただし、木材の変形は外から加わる力だけではありません
木材自体が、時間の経過とともに、勝手に変形していくのです
むしろ、こちらの変形の方が無視できない強力なものです
変形の傾向は
曲がったものは、その曲がりがさらに大きくなり
ねじれたものは、そのねじれがさらに進むのです
優れた大工は、木材の変形の傾向を読み込んで材料を使いますから
木材の経年変化が建物に影響しないのです
丸桁は、曲がって張り出した中央を上に向けて使いますから
軒の中央部分は、経年変化で、上に向かって盛り上がることになります
ところが、ここには屋根の重みがかかり続けていますから
両方の力が相殺されて、水平の軒が維持されることになるのです
伝統的な木造住宅には
木の性質を知りつくした大工の知恵が凝縮しています
ぜひ、後世に残したいものです
”雀と大工は軒で鳴く”
について、考えてみたいと思います
日本の木造建築の美しさの一つに
軒に整然と並ぶ垂木の美しさがあります
寺社建築のような特殊なものではなく、一般の民家の話です
民家を造る一般の大工さんにとっても
軒下を美しく仕上げることは重要なことだったのです
民家の場合、広い敷地のお屋敷でもないかぎり
建物の全体像を見ることはできません
しかし、軒下は誰もが見るのです
伝統的な日本建築では
縁側の軒を支える桁は「丸桁(まるげた)」という皮を剥いただけの丸太を使います
これは見た目も美しく、風情のあるものです
私は、丸桁は美観のために使われているものとばかり思っていました
ところが、自宅をリフォームした時に、ある重要な事実に気付いたのです
丸桁の上に乗った垂木は、美しく整然と並んでいるのでした
丸桁は、軒を美しく保つために使われいていたのです!
丸桁に使う材料は、なるべく真っ直ぐなものを選びます
しかしながら、木というものは自然界で育つものですから、完全に真っ直ぐなものは存在しません
必ず曲がっているのです
丸桁は、曲がって出た腹を上に向けて使います
真っ直ぐに水平に見えても、実はアーチ状になっているのです
こうすると、屋根の加重を受けても中央部分が垂れ下がることが少ないのです
角材を使うと、時を経るごとに、中央部分が屋根の重みで垂れ下がる可能性が高まります
パイプが曲げに強いように、年輪を残した丸太は構造的に曲げに強いのです
しかし、丸桁を使う意味はそれだけにとどまりません
木材は、乾燥にともない強度を増しますが、変形もします
力を受ければ、当然ながら、その方向に変形します
横に使うと、当然ながら、中央部分が重みで垂れ下がってくるのです
ただし、木材の変形は外から加わる力だけではありません
木材自体が、時間の経過とともに、勝手に変形していくのです
むしろ、こちらの変形の方が無視できない強力なものです
変形の傾向は
曲がったものは、その曲がりがさらに大きくなり
ねじれたものは、そのねじれがさらに進むのです
優れた大工は、木材の変形の傾向を読み込んで材料を使いますから
木材の経年変化が建物に影響しないのです
丸桁は、曲がって張り出した中央を上に向けて使いますから
軒の中央部分は、経年変化で、上に向かって盛り上がることになります
ところが、ここには屋根の重みがかかり続けていますから
両方の力が相殺されて、水平の軒が維持されることになるのです
伝統的な木造住宅には
木の性質を知りつくした大工の知恵が凝縮しています
ぜひ、後世に残したいものです