かつて、日本的経営ということが盛んに言われました
それが称賛され、研究対象ともなったのです
世界に良い影響も与えたと思います

しかし、今、そんなことは、まったく忘れ去られています
日本経済の低迷とともに
日本的経営なるものも問題とされず、検討課題にすらなりません
そんなものが存在することすら考えられていません

それに代わって、唱えられているのが、あいも変わらず

「国際化」

です

どうやら、日本は
我国は遅れた国であり、世界の先進国の近代化したシステムに学ばねばならぬという
この150年、消えることのない、根深い”近代化思想”に戻ろうとしているようです

西側先進国の真似をして、例えば
小選挙区制を導入して、何かいいことがありましたか?
確かに、政権交代はできるようになりましたが、それで日本の政治は良くなりましたか?

消費税の導入はどうですか?
税収不足を補い、財政健全化のために導入された消費税は
導入以後、税収は減るし、財政赤字は増えるし
赤字補てんのための、赤字国債発行も増え続けています

先進国の真似をして、いいことがあれば、それはそれで良いのです
今のところ、あんまり良いところは真似していません
役所や役人に都合がいいところだけ真似しているわけで、国民のメリットは何もありません

話を元に戻します

”日本的経営”

の特徴は終身雇用制にあります・・・終身雇用というのは少し大袈裟な表現ですが
定年まで、会社の都合で解雇されることがなく、同じ会社で働き続けるという制度です

終身雇用の分かりやすいメリットとして、失業率を減ります
企業が、不要とする社員にも給料を払って雇っていたわけですから、事実上の失業保険です
制度としての失業保険はありますが、負担が少なくて済んだのです

企業が、一見不合理な雇用形態を維持したのには理由があります
部分的に見ると不合理な制度でも、全体的に見ると、合理的だったのです

社員は、会社が解雇しないということを信じると、猛烈に働くのです
その働きの中に、たんに自分に与えられて仕事をこなすという以上の
会社のために何ができるかという、前向きの労働意欲がわき起こるのです

”会社のために働く”

という勤労意欲を全社員に持たせるには、終身雇用が一番分かりやすいシステムなのです

普通、企業にとって最重要な情報は現場から上がってきます
現場の声が正しく反映される経営なら、大きく誤ることはないのです
契約社員やアルバイトが、店頭や生産現場を任されている企業で
正しい現場情報が経営者に届くとは思えません

日本は
生産現場の声を経営陣が積極的に取り入れることにより
世界市場を席巻する工業製品を作り続けました

これは、サービス産業でも世界に通じる考え方です
お客様の声を直接聞くのは現場で働く人々なのです

経営者が、財テクに走り、現場の地道な努力を馬鹿にするようになると
だいたい、その企業はおかしくなります