科学技術が現代の快適な生活を生み出したことは間違いありません
科学技術を振興させることが社会を豊かにし
貧困や病苦から人類を解放することも間違いありません

そんなわけで
今や、世界中で科学技術の振興がはかられ
それは効果を上げ、実際に諸国民に富をもたらしています

発展著しい諸国は、おそらく、初等教育の段階から
数学の基礎をはじめ、理科教育に力をいれている国家ばかりでしょう

日本もまた、例外ではありません
数学や理科の教育は、最近でこそ、やや陰りが見られるものの
日本の教育の長所の一つであることは確かです

しかし、私は最近思うのですが
日本人に欠けているのが、特に科学者達に欠けているのが
科学技術と商業の調和に対する理解だと思うのです

科学技術といえども、商業的に成り立たないものは、発展しないのです
コンピューター技術が発展したのも、それが商業的に採算の合う技術だからです

機械工業は人類を肉体労働から解放しました
そしてIT技術は、人類を頭脳労働からも解放したのです

企業は、頭脳労働者の雇用負担よりも
IT技術の採用の方が、高い労働生産性をもたらすことを理解し
頭脳労働のIT化を推進したのです

各国政府の進める原子力発電は、電力が独占企業であり
原価がそっくり販売価格に転嫁できる体制によってのみ発展してきました

私自身は原子力発電については推進派です
しかし、それは、より高度な国益を考えた上での考えであり
現状の電力会社独占体制を擁護するものではありません

原子力村と呼ばれる科学技術者の閉鎖的集団は
最先端の科学技術について、世間を欺くための集団と化してしまいました
電力会社が競争にさらされず、その結果もたらされた莫大な利益は
政界財界マスコミを取り込むための潤沢な資金となってしまいました

採算性を考慮しないことが、科学者の良心を破壊し
彼らを、政治家やマスコミへの悪質な宣伝係にしてしまいました

商売というものを悪く言う人がいます
利益の追求といえば、即、悪いことだと決めつける人がいます
多くのマスコミ論調は、いつも、そんな調子です

しかし
厳しい競争にさらされていることが、必ずしもモラルを破壊するわけではありません
優良企業が、高い企業モラルをもっていることは、めずらしくありません
むしろ、競争を免れている業界で、恐るべき堕落が起きたことは
人々が記憶にとどめる意味のある出来事だったのです