いつだったか、もう思い出せないのですけれど、成人してからの話です
どういうわけか、私はたった一人で
茅ヶ崎あたりの海岸に立って、相模湾を眺めていました

その時に、ふいに海の水が溢れて
こちらに向かってくるイメージが浮かんできたのです
なぜ、そんなイメージが浮かんだのか、自分でも奇妙であり
おそらく、少年時代に観た怪獣映画か何かの記憶であろうと考えました

今思うと、あれは、明らかに津波のイメージです

美しい湘南のイメージは近代以降にできたものです
東京が日本の首都となり、多くの著名人が湘南の地に別荘を構えてからです
さらに、それが大衆化したのは戦後であり
加山雄三や桑田圭祐に代表される音楽と若者文化によります
ヨット、サーフィン、グループサウンズ、暴走族・・・
若者文化の発信地としての湘南です

それまでの湘南は、はっきり言って荒地です
辻堂だって、軍の演習場があつたのです
戦後も米軍がこれを使い、烏帽子岩を標的にしたりしていたのです

今も昔も、湘南は風光明媚な場所です
しかし、昔は人が住んでいなかったのです
戦後ですら、藤沢駅周辺には砂丘がありましたし
現在東急のマンション群のある辺りは一面の葦の原でした
要するに、荒地だったのです

日本中旅をして思うのは
相模湾沿岸の住宅地のようなところは例外中の例外だということです
商業港もコンビナートも無く
それでいて、沿岸がずっと住宅地になっています
しかも、その住宅地は日本有数の高級住宅地なのです
こんな場所は日本中探しても、他に無いのではないでしょうか?

今回の地震で私が思ったのは
日本中の海岸近辺は、何年かに一度は、津波被害を受けており
人々は海の近くには住まなくなっているということです
したがって、津波の届くような海の近くには古い町は無いのです

私は、あらためて湘南の高級住宅地の津波対策に思いをはせます
もう、従来の一戸建て別荘形の住宅地は続けることができないと考えるべきです
これからは、鉄筋コンクリートか
鉄骨鉄筋コンクリート造の中層建物を主にした住宅地を考えるべきです

ただし
団地のように密集させると危険ですから
建蔽率や容積率、道路境界、隣地境界からの後退など、厳しく制限し
敷地がゆったりした高級マンションにするのが理想的です
そのための敷地の合併などに税制優遇など考えてほしいところです