EU(ヨーロッパ統合体)について
これをEEC(ヨーロッパ経済共同体)のごとくみなす見解が
日本人の一般的理解であるとするならば
その認識は根本的な誤解であると指摘せざるをえません

ヨーロッパの経済統合は
あくまでも政治統合の前段階だったのです
経済統合はメリットが大きく
しかも政治統合への実質的推進力を持つから、これを先行させたのです
国境を越えた経済が成立してしまえば
政治もまた、それに合わさざるをえなくなるということです

カレルギーの構想通り
ヨーロッパの統合は、経済から始まり
政治に向かって確実に進んでいます

共通通貨ユーロもまた
ドルの凋落とともに、確実に、その存在感を増していますが
ドルへの対抗が目的だったのではなく
関税障壁撤廃にととまらず、共通通貨発行に至ることが
単なる経済統合ではなく、統一国家を目指すということなのです

しかしここで、アジアに眼を転じてみると
日本が中国と一体化するメリットがあるでしょうか?
そもそも日本人は、中国人と一つの国の国民になりたがっているでしょうか?

カレルギーは、自家用車に乗って、ヨーロッパを東奔西走しながら
ヨーロッパ統合運動を進めていました
しばしば、主要道路を外れ、地方道を走りながら
ヨーロッパの美しい田園風景を眺め
野の花を摘む妻のために、車を停車させ
そして、その土地の農夫達と話し合うこともありました

カレルギーはヨーロッパの統合について持論を述べ
農夫達は、それはとても無理な話だと、絶望していました
しかし最期には

「もし、それができたら、良いことですね」

と、必ず、語るのでした

当時のヨーロッパの人々は
長く続いた戦争によって絶望しており
ヨーロッパの統合など、夢のまた夢だったのです

しかし冷静に考えてみれば
ヨーロッパの人々にとっては
ヨーロッパ統合こそが
ヨーロッパの平和と繁栄と自由のための
唯一にして、確実な手段なのでした
それは正しく、全ヨーロッパ人の夢であり、理想であったのです

ここでふたたび、アジアに眼を転じてみると
はたして、アジア人にそのような夢はあるでしょうか?
東南アジアの人々の中には
あるいは、そうした考え方もあるかもしれません

この地域では
植民地からの独立も、経済発展も、アジア経済危機からの脱却も
日本の影響力無しには考えられませんでした
事実上、彼らは、日露戦争以後の過去1世紀以上を
日本の影響力のもとに、歴史を刻んできたのです

中国も、本質的にはアジア諸国と同じです
中国の経済発展も、日本の影響力なくしては考えられませんでした
しかし、当の中国人に、その意識はありません
今や、日本など、物の数ではないという態度です
日中間で問題が発生すれば、反日教育で育った中国の若い世代は
日本に対し、とんでもない攻撃的な発言をするのです

ヨーロッパ統合はヨーロッパ人の夢でした
しかし、アジア統合は、中国人にとっては”夢”かもしれませんが
日本人にとっては”悪夢”ではないでしょうか?