1935年当時の政治状況をみると
ロシア、ドイツ、イタリアは
その憲法が人民主権の立場を明記し
多数の支配を原理とする、大いに民主的なものでした
しかし、ロシア、ドイツ、イタリアは自由な国柄ではありませんでした
イギリスは、自由で議会制度の国ではありますが
憲法は部分的にしか民主主義の原理にそっていません
君主制であり、世襲貴族による上院もあります
アメリカ、スイスは自由で民主的ではありますが
議会政治ではありません
それら政府は、議会による不信任決議で倒れることはありません
個人の自由を尊重する少数者の寛容な支配もあれば
自由の権利を一切制限してしまう狭量な多数者の政治もあるのです
民主主義と自由主義は同じではありません
イギリスは、国王や上院があり
他の多くの国々とくらべて、民主的ではありません
しかし、この当時、最も自由な国であり
個人的自由と人格の尊重されることは、他に類例を見ないものでした
イギリスの議会政治が、ヨーロッパ諸国と比較して、成功した理由を
カレルギーは、イギリス議会に”不文律”の基礎があるからだと考えました
民主主義諸国の成文憲法は、多数党に無制限な権力を賦与しています
イギリスでは、不文律により、暗黙のもと、これを制限しています
対立政党が敗北した場合でも、フェアプレイの精神で臨むのです
イギリス議会の不文律とは、たとえば
敗れた対立政党を追求し、根こそぎ殲滅するような悪どい勝利を禁じます
対立政党が再起し、将来の選挙で勝てるようなチャンスを与えます
また、与党が敗れた場合には
暴力をもって対立政党を弾圧するようなことはせず
潔く政権の座を引き渡します
選挙戦において、非難や批評は自由ですが
名誉毀損や侮辱の類はしてはならないのです
イギリス議会では、心構えに武士道が要求されるのです
この精神は、紳士にこそ宿るが、無頼漢には皆無のものです
イギリス以外の多くの国々では
残念ながら、無頼漢が議会を占領していたのです
無頼漢は、一度選挙で獲得した権力は、脅迫でもされないかぎり離しません
屁理屈をこねて、政権引渡しを拒んだり
選挙結果を誤魔化したり
恐喝や暴行により、無理な多数派を形成しようとするのです
無頼漢は、そうしない方が馬鹿か臆病と考えるのです
ドイツにおける議会政治の覆滅は
二大政党が、公正なる勝負の法則を理解せず
選挙を利用して独裁政治を建設しようとし
爆弾をもちいて選挙を蹂躙することも辞さなかったからです
イギリスの民主主義は
英国紳士の理想と同一の精神の二つの面なのです
独裁政治は文明のあらゆる段階に存在できますが
民主政治は、高い道徳的水準を必要とし
武士道の強い観念が随伴するのです
イギリスの自由は
紳士のために紳士によって創造された自由です
その理由によって、イギリスは
独裁政治や全体主義の危険から免れているのです
ロシア、ドイツ、イタリアは
その憲法が人民主権の立場を明記し
多数の支配を原理とする、大いに民主的なものでした
しかし、ロシア、ドイツ、イタリアは自由な国柄ではありませんでした
イギリスは、自由で議会制度の国ではありますが
憲法は部分的にしか民主主義の原理にそっていません
君主制であり、世襲貴族による上院もあります
アメリカ、スイスは自由で民主的ではありますが
議会政治ではありません
それら政府は、議会による不信任決議で倒れることはありません
個人の自由を尊重する少数者の寛容な支配もあれば
自由の権利を一切制限してしまう狭量な多数者の政治もあるのです
民主主義と自由主義は同じではありません
イギリスは、国王や上院があり
他の多くの国々とくらべて、民主的ではありません
しかし、この当時、最も自由な国であり
個人的自由と人格の尊重されることは、他に類例を見ないものでした
イギリスの議会政治が、ヨーロッパ諸国と比較して、成功した理由を
カレルギーは、イギリス議会に”不文律”の基礎があるからだと考えました
民主主義諸国の成文憲法は、多数党に無制限な権力を賦与しています
イギリスでは、不文律により、暗黙のもと、これを制限しています
対立政党が敗北した場合でも、フェアプレイの精神で臨むのです
イギリス議会の不文律とは、たとえば
敗れた対立政党を追求し、根こそぎ殲滅するような悪どい勝利を禁じます
対立政党が再起し、将来の選挙で勝てるようなチャンスを与えます
また、与党が敗れた場合には
暴力をもって対立政党を弾圧するようなことはせず
潔く政権の座を引き渡します
選挙戦において、非難や批評は自由ですが
名誉毀損や侮辱の類はしてはならないのです
イギリス議会では、心構えに武士道が要求されるのです
この精神は、紳士にこそ宿るが、無頼漢には皆無のものです
イギリス以外の多くの国々では
残念ながら、無頼漢が議会を占領していたのです
無頼漢は、一度選挙で獲得した権力は、脅迫でもされないかぎり離しません
屁理屈をこねて、政権引渡しを拒んだり
選挙結果を誤魔化したり
恐喝や暴行により、無理な多数派を形成しようとするのです
無頼漢は、そうしない方が馬鹿か臆病と考えるのです
ドイツにおける議会政治の覆滅は
二大政党が、公正なる勝負の法則を理解せず
選挙を利用して独裁政治を建設しようとし
爆弾をもちいて選挙を蹂躙することも辞さなかったからです
イギリスの民主主義は
英国紳士の理想と同一の精神の二つの面なのです
独裁政治は文明のあらゆる段階に存在できますが
民主政治は、高い道徳的水準を必要とし
武士道の強い観念が随伴するのです
イギリスの自由は
紳士のために紳士によって創造された自由です
その理由によって、イギリスは
独裁政治や全体主義の危険から免れているのです