警察署の中で、投げ飛ばされたり
銃で脅されたりしたので
私は、すっかりあきれてしまい
もう、一切、どんな書類にもサインはしまいと決めてしまいました

事態は再び膠着状態に陥り
結局、父が身柄引受人のような形で警察署まで来て
私は父と一緒に家に帰ることができました

その後、横浜地方検察庁から呼び出しがありました
地検に出頭した私は、丁寧に話を聞いてくれたK副検事に
洗いざらい、警察署内の出来事をぶちまけました

K副検事は表情を曇らせ
はっきりと警察署への怒りを口にしました
そして、私の言い分を、一生懸命、紙に書いているようでした

そして、私に言いました

「交通違反の点数は消せないから、そのかわり、罰金はいいよ」

なんと、私は罰金を免除され、一件落着となったのです

「もう、これで、終わりにするから、ここにサインして」

私は、がんばった甲斐があったと思いました
確かに自分も悪いのだから
交通違反の点数はやむを得ないと思ったのです

書類にサインをするつもりで
文面を見て、私は驚きました
そこには、私に有利な内容は何ひとつ書いてありませんでした

私が抗議しても、副検事は文面を変更してくれませんでした
これで、全ては終わるからと言われるだけです

私は、しかたなくサインしました
こんなつまらないことで
これ以上時間や労力を奪われるのはウンザリだったからです

実際に、その件は、それで終わりました
K副検事は、誠実そうな人物であり
私は、彼が私をだましているとは考えませんでした
彼ですら、立場上、こうするしかないのだろうと思ったのです

あれ以来
私はロッキード事件の田中角栄被告を支持するようになりました
検事調書は検事の作文に過ぎないという主張が良く理解できたからです
私は、日本の警察や検察の本質を知ってしまったのです