産経新聞の1面に、佐伯啓思京都大学教授が

「文明の危機呼ぶ幼児性」

という題名でコラムを書いています

もとより、現代社会の幼児性の問題は私にも興味があり
そもそも、マスコミも役人も政治家も
なぜ、ここまで幼稚な奴ばかりになってしまったのかと
嘆くことしきりの毎日ですので
大いに期待して、読みました

ところが、内容にがっかりです
そのコラム自体が幼稚で、陳腐なものだったからです

佐伯は、ホイジンガーという思想家の言論に依拠しつつ
1930年代と現代の類似性を指摘し
再び、ファシズムや戦争に向かうかもしれない現代に
警鐘を鳴らしたいらしいのです

「危機の時代」か、聞き飽きたな・・・私は心の中でつぶやきました

佐伯は子供っぽい文化が嫌いらしい
人々が子供っぽくなったのでファシズムになったと言いたいらしい
そして、それが戦争に至ると言いたいらしい
私が”らしい”としか書けないのは
本人の主張が、いまひとつはっきりしないからです
おそらく佐伯は
主張を曖昧にすることは大人っぽいことだと考えているのでしょう

1930年代の経済危機に関して言えば
これは純然たる経済問題です
1929年の株式大暴落は
ホーリー・スムート法の成立によるものであり
自由貿易が否定されたからです
やがて各国は保護貿易に走り、その結果、戦争にまで至るのです

1930年代の経済危機と、それに続く世界戦争は
その時代に流行した文化とは、まったく関係ありません

「文化人」の問題はここにあります
関係の無いことを、あたかも関係あるかのように言う
怪しげな占い師や予想屋と同じです
こんなものを信じるのは幼稚な連中だけです

佐伯啓思についていえば
彼こそ幼児性の文化にささえられた文化人の一人です
背広にネクタイ、白髪交じりの薄い髪、落ち着いた物腰
確かに、外見だけは大人の風貌をしていますが・・・