田中角栄形政治というものがありました
それは選挙を重視し、選挙に勝つことを最大目標とする政治です

なぜ、そこまで選挙にこだわったかというと
選挙だけが民主主義を保証するものだったからです

同じ能力を持ち、同じ働きをしても
学歴の無い者は、低い評価しか得られません
それが日本社会であり、今も昔も変わりません

役所であれ大企業であれ
既成の組織で権力への階段を登るためには、まず必要なのが学歴です

特に、東京大学法学部卒業という学歴は
中央官庁の幹部になるための絶対条件といっていいものであり
そのOB達が政界に進出するため、政界の主流でもありました

しかし政界と官界の一番の違いが選挙です
東大法学部卒の肩書きがあっても、選挙に勝てる保証はありません
一方、小学校卒の肩書きであっても、選挙に強い政治家はいたのです

それが田中角栄でした
小学校卒の学歴でありながら、若くして中央政界の要職を歴任し
55歳にして、内閣総理大臣の地位を射止めました

田中角栄は、自分自身が選挙に強いだけでなく
自分の子分達に、選挙の戦い方を指導し、選挙に勝たせ
自らの派閥の人数を増やし続けました

与党になるためには、選挙で過半数を制しなければなりません
その与党の総裁になるためには、与党の過半数を制しなければなりません

田中角栄の目標は、与党の4分の1を制することでした
自派閥が与党の4分の1であれば
残りの与党議員の3分の1を自派閥に協力させることで
与党を制することができ、国会を制することができるからです

つまり、全国会議員の8分の1を制すれば
国会を制することができるというわけです
これが田中角栄の「数の論理」と呼ばれたものでした
”政治は数、数は力”とも言われました