木村氏がキャバレーのアルバイトを辞めたのは
無農薬・無肥料・無堆肥によるリンゴ栽培が何とか軌道に乗り
どうやって販路を拓こうかと思案している時期でした

その頃、NHKは「忍び寄る農薬汚染」という番組のために
木村氏を取材しました
リンゴ農家で自然栽培をしているのは木村氏だけだったからです

その番組は、その後何度も再放送されました
木村氏は、あまりテレビを観ませんから
そのことに無頓着でした

きっとその日、もしくはその前日
木村氏を取材した番組が再放送されたのでしょう
木村氏が忘れ物を取りに自宅に帰ったところ
電話が鳴り続けていたのです

当時の木村氏には借金がありましたから
正直なところ、電話に出たくはなかったのです
あまりにしつこくかかってくるので、しかたなく受話器を取りました

「テレビで見た、どうしてもあなたのリンゴがほしい」

・・・という内容でした

送り先を聞いて、受話器を置くと、またベルが鳴ります
それが夜中の11時まで続きました
翌日は、家族皆が畑に行かず、電話対応に追われました
その時、注文してくれたお客さんの数は約350人にのぼりました

その後、口コミ等で広がり
現在では、2700人以上の人々が
定期的に個人取引をするようになっています