木村秋則氏が、すべてのリンゴの畑を無農薬にしてから
3年が過ぎ、4年が過ぎても
リンゴの花はまったく咲く気配を見せませんでした

貯えは底をつき
義父の郵便局の退職金も使い果たしてしまいました
3人の娘、妻の両親、合わせて一家7人は貧乏のどん底に落ちてしまいました

自慢のイギリス製トラクターはもちろん
自家用車も、農業用の2トントラックも売ってしまいました

税金の滞納が続き
リンゴの木に赤紙が貼られたことも何度もありました
そのたびに必死で金をかき集めて
競売をなんとか取り下げてもらいました

銀行から金を借り
それでも足りなくて消費者金融に手を出し
実家の両親だけでなく、親戚からも借金をしたのです

どうしても必要な電気や水道代を払うために金策し
健康保険料が払えずに、健康保険証も取り上げられてしまいました

子供のPTA会費も払えません
娘達の服はもちろん、学用品すら買ってやれません
穴の開いた靴下にツギをあて
一つの消しゴムを3つに切って渡しました

当時小学校6年だった長女の授業参観日
放課後一人残され
担当教師に読み上げられた作文は忘れられないものでした

「私のお父さんの仕事はりんごづくりです
でも、私は、お父さんの作ったりんごを一つもたべたことがありません・・・」

その頃から周囲の人々は、木村氏のことをカマドケシと呼ぶようになりました
カマドの日を消してしまう・・・家運を衰退させ破産させてしまう者
というほどの意味でしょうか
津軽地方の言葉です