枯れ木の山のようなリンゴ畑を見て
頭の中を何度も”失敗”という言葉がよぎります
文献を読みあさり、研究を重ねてきたのもかかわらず
自分ではリンゴのことは知り尽くしていると自負していたのに・・・

しかし、かえって闘志が湧き起こるのが木村秋則氏でした

植物は、葉の中にある葉緑体が太陽エネルギーから栄養素を作ります
葉を守ることができれば
葉についた病気を追い払うことさえできれば
リンゴの木を復活させることができるはずだ・・・
木村氏は、自分ならそれができるはずだと信じていたのです

斑点落葉病は葉につく菌が原因しています
その菌が嫌う物質を見つけて散布すれば防げるはずです
木村氏は、農薬の代わりに、ふだん食べている食品の中から
菌の嫌う物質を探そうと考えました

そうした目で探してみれば
効き目のありそうなものは、いくつもリストアップできます
食品の中には、ニンニクやワサビなど、自然の殺菌力を持つものがあります
殺菌力はなくとも、カビや菌の成長が阻害できればいいのです

何がリンゴにとって有効な物質か
それを突き止めるためには実際に試してみなければなりません
しかし、それは1ヶ所で試みれば、1年に1回しかできません
これでは、何時になったら無農薬栽培法が発見できるか見当がつきません

木村氏は、翌年は2ヶ所のリンゴ畑で無農薬を試みました
さらに翌年は、思い切って、4ヶ所の畑すべてで
無農薬栽培を試みることにしたのでした