青森では、リンゴの花は5月に咲きます
無農薬の畑のリンゴは、なんの問題も無く開花しました
農薬を散布していないので、畑の空気はとてもすがすがしいものでした

リンゴと桜は同じバラ科の植物です
したがってリンゴの花は桜に似ています
ただし、リンゴは開花前に葉が開きますから
緑の葉の間に、白い花が咲きます
リンゴの花見は、リンゴ農家にとって、何より心躍る眺めです

花と葉があって、初めてリンゴの実は大きく育ちます
雌しべが受粉し、花の根元がふくらみ始めると
小さな果実に、葉で作られた養分がどんどん送られます
豊かに繁った葉が、秋の実りを約束してくれるのです

東北地方の遅い春の日差しは、急速に強くなっていきます
その日差しに合わせるように
葉は大きく成長し、緑の濃さを増していきます

6月に入っても、心配した病害虫の被害はありませんでした
まるで夢でも見ているような気分でした
木村氏は、自分はとんでもない発見をしてしまったのかもしれない思いました
農薬など、リンゴ栽培には必要なかったのだ!

化学肥料をやめて、堆肥を使ったのが良かったのかもしれない
こんなにも簡単に無農薬栽培ができるなら
この農法はあっという間に、日本中に広がるにちがいない
リンゴ農家が農薬から解放されるのだ
自分がその功労者ということになるのだろうか・・・

健康そのものに見えるリンゴの木を眺めながら
木村氏は喜びにひたっていたのでした

しかし順調だったのは、最初の2ヶ月だけでした
7月に入ったとたんに、葉に異変が現れました
リンゴの葉が黄色く変色し始めたのです・・・