その日、私は隣家で、同い年の子供達と遊んでいました
皆でしゃがんで、地面に何かを描いて遊んでいました
その時です

タッタッタッ・・・

不思議な連続音が頭の中で響くように鳴って
思わず私は立ち上がり、南の方向を見ました
そして、そこを指差し、叫びました

「見ろよ!」

そこには火の粉含んだ”きのこ雲”がもうもうと吹き上げていたのです

”きのこ雲”の火の粉は消え
黒い”きのこ雲”の上に、もう一つ”きのこ雲”が生え
さらにその上に”きのこ雲”ができました

つまり、三段式の灰色の”きのこ雲”になったのです

三段式の”きのこ雲”はマンガで見たことがありました
本当に出来るのだということを
この時、知りました

”きのこ雲”の下ではオレンジ色の炎が斜めに噴出していました

場所は現在の湘南ライフタウンの辺りです

やがて”きのこ雲”は上のほうから崩れ
煙がこちらの方向にたなびいて来ました
空全体が真っ黒に覆われてしまいました

本日の神奈川新聞によれば、この事件は
昭和39年7月31日、F-4Bファントム戦闘機が
大庭地区に墜落した事故でした

私の小学校2年の夏休みの出来事だったことになります
東京オリンピックはその年の10月でした

タッタッタッ・・・という連続音を聴いたのも
炎を含んだ最初の”きのこ雲”を見たのも
その場にいた者の中では、私一人でした

今でも時々、不思議な夢を見ます
私が指差す方向に飛行機が落ちる夢です・・・