愛が自由意志でしか成立しないように
家族も自由意志でしか成立しません
現在は、そういう時代になりました

日本人が家族を中心にものを考えるようになったのは、封建社会以降です

封建社会では、武士は家族のために命を賭けて戦いました
自分が死んでも、家族に土地の権利が残るからです
これを一所懸命といいます
このように、武士の間で土地所有権が確立したのが鎌倉時代です

しかし、それは武士だけの話であり
庶民は関係ありませんでした
それまでの庶民が、どういう立場であったかといえば
土地に縛り付けられた労働力に過ぎず
自分の土地の権利というものがありませんでした
ですから、酷い領主のもとからは
村人全員が逃亡してしまうこともありました

やがて江戸時代になると、農民の土地所有権も確立しました
ただし厳密にいえば、土地耕作権です
親の耕作していた田畑を、子が相続することは当然の権利となったのです
ただし、土地利用の変更や売買は認められていません

武士には氏名があります
氏(姓、苗字、ファミリーネーム)をもっています
これは死後に家族の誰かが家督を相続するためです
自分自身も先代の遺産を引き継いだことを意味します

武士は氏名がありますが
明治維新まで、少数の例外を除けば、百姓には氏名がありませんでした
実際には多くの百姓は苗字を名乗っていました
公的に認められたものではありませんでしたが
財産相続の問題がある以上、やはりファミリーネームは必要だったようです

江戸時代になると、農民も家族中心の生活になったのです
商人も姓を名乗っていますし、屋号を使う場合もありました
武士や農民と同じく、商人にも財産権が認められるようになったからです
日本人の生活が家族中心になったのは
江戸時代以降のことということになります