12月1日
とうとう二人のインド人の、国外退去期限の前日をむかえました

警視総監は、二人のインド人を12月2日午前10時
横浜港を出港する上海行きの船に乗船させると発表しました
もし12月2日午前7時までに東京を発たなければ
強制執行にとりかかることを宣言しました

当事者のボースとグプターは、昼過ぎから帝国ホテルで
新聞記者たちとの懇談に臨んでいました

この日朝から、ボースとグプターは山中峯太郎と行動を供にしており
最後の手段として
二人がドイツとは無関係であるという誓約書を書き
直接、警視総監に届けに行くという方法が協議され
その準備が行われていました

そこへ

「寺尾邸で別れの宴を催すので、すぐ来てほしい」

という使者がやってきました

ボースとグプターはそれに応じ
寺尾邸に向う途中で警視総監を訪ね、誓約書を手渡しました
警視総監は、明日朝7時に東京を出発しなければ強制執行すると答え
彼らの要求は完全に退けられました

失意の二人が寺尾邸に到着したのは午後3時でした
尾行の警官が門前で監視する中、宴会が始まりました