100円で10個お菓子が買えるなら
90円では9個しか買えない
1個我慢すれば、それで済む
同じく、50円なら、5個で我慢すればよい
子供の小遣い銭の話なら、それでよいでしょう

東京ドームを半分壊しても、野球の試合を4,5回で終了すれば良い
そう考える人がいたとしたら、野球をまったく知らない人です
同じく、70キロの私の体を真っ二つに切ったら
35キロの二人の私が出来て、それぞれの私が2分の1の収入になる
そう考える人がいたら狂人です

財産というものを、子供の小遣い銭のごとく考えて
半分にしても価値が2分の1になるだけだと考える人は多い
しかし残然ながら、財産というものは、そんな単純なものではない
ほんのちょっと欠けただけで、まるで価値を失ってしまうものなのです
商店の売上にしても
売上が2倍なら利益も2倍という単純なものではありません
ある一定の金額に達するまでは利益は出ません
しかし、そこを過ぎると、利益が飛躍的に向上するのです

私が税制論議に、いつも不満なのは
こうした根本的な金銭感覚が、世の識者に失われていることです
財産は有機体です
その一部を失っただけで、価値が大幅に減じるばかりか
致命傷になりかねないことを、多くの人は知りません

1945年の終戦から現在に至るまで
日本の人口は約1,5倍に増えました
その間,領土は減ることはあっても、増えることはありませんでした
しかし、日本の富は100倍にも10000倍にもなりました
それは、富が有機的に成長し拡大再生産がなされたからです

家族であれ企業であれ、有機体としての財産の上に成立しているのです
この有機体を破壊するような税制を導入すれば
富の再生産機能を失い、社会は停滞し
貧困のスパイラルに陥ってしまうでしょう