これは自殺です
なんのことかって?
鉄道会社の発表する人身事故のことです

働き盛りの自殺者は現代の特攻隊です
妻子を守るため、自らの命を犠牲にするのです
生命保険によって、家族の経済的危機を救うのです
最近は保険会社の調査も厳しいので
事故に見せかけるため、酒に酔って転落したように電車に飛び込むのです

日本の男は悲しいものです
こんな形でしか妻子への愛情を示せないなんて
ですが、失業したり、病気になったりしたら
住宅ローンを抱えていたり、子供達を私立の学校に通わせていたりすると
実際、現状維持するためには、他にいい方法が思い浮かびません

持ち家を処分し、子供は公立で義務教育まで、妻は働きに出し
自分は禁治産者となって、家で寝ている
という選択肢を堂々と選べる男は
妻子持ちには少ないのでしょう
健康に不安がある場合の人生の選択肢は限られたものです

住宅ローンには団体信用生命保険が付いています
債務者(通常は一家の主、お父さん)が亡くなれば
支払い義務は無くなります
しかしこれが、世の中の表面には出ない悲劇を作り出しています
国の持ち家促進政策と賃貸住宅抑圧政策の犠牲者ともいえます
良質な賃貸住宅が増えれば、サラリーマンが持ち家を買う必要は無いはずです
サラリーマンには転勤転職、家族構成の変化が付き物なのですから

事故で電車が遅れても
あまり怒ったりせず
心の中で静かに
手を合わせ
黙祷しましょう