蘇鉄(ソテツ)には毒があるそうです
食べると死にます
にもかかわらず、これを食べて死んだ人がいます
第二次大戦後、米軍占領下の沖縄、渡嘉敷島のことです
アメリカからの食料の配給がストップされ
食べ物が無くなってしまったからです
これを「蘇鉄地獄」といいます

この惨状を見て
なんとかしたいと考えた琉球政府社会局援護課の職員がいました
貧しい住民に「戦傷者戦没者遺族等援護法」が適用されれば
年金や弔慰金が日本政府から支給されるからです

この島では、昭和20年3月
米軍上陸を前にして、島民の集団自決事件がありました
軍の命令とは無関係に起きた事件でした
戦場における、住民のパニック行動と考えてもいいでしょう
異常心理がとんでもない行動を人々にとらせたのです

集団自決事件を軍命令とすれば、貧しい島民を救うことができます
当時の隊長の誰かが、軍命令だと言えばよかったらしいのですが
そんな人はなかなか現れなかったのです
ところが事件当時、渡嘉敷島にいた赤松大尉は
この、損な役割を引き受けました
琉球政府職員の作った書類にサインしたのです
戦後7年以上過ぎた時点の、真新しい命令書を厚生省は受理しました
厚生省の職員も事情を承知していたからです
誰もが「蘇鉄地獄」のことを知っていたのです

赤松大尉と渡嘉敷島集団自決事件については
8月に、このブログで書きました
今回は捕捉として、戦後の渡嘉敷島の悲惨について書きました
赤松大尉の決断の背景にあったものです