ブラインドの隙間から、わずかに差し込む光を見ても
それが午後の日差しと分かります
何年も何年も、同じ光を見てきたからです

世の中の動きというものは、早く、予想もつかないものです
しかし私達の日常というものは
案外、ゆっくり変化するものではないでしょうか
とりわけ日々の物理的環境は

記憶の中の過去は、明るかったり、暗かったり
私達は時間を、思い出の積み重なりとして認識しますが
思い出というものは、私達がまったく別の空間を歩いていたような
想像と気分を伴うものです
それが私達の時間感覚であり、時代感覚でもあります

私のように、生まれた時から、ほぼ一箇所で生活し
わずかな例外を除いて、他の土地を知らない者には
本当は、きわめて単調な日々があったのであり
日の出から日没までの、昼の時間と
睡眠と娯楽、自省、不定期な仕事などに過ごす夜の時間があり
毎日が、同じではないけれども、大過無い日常があっただけなのです

どんな時でも、光は同じように私を包み
闇もまた、私を包み込んでいきました
それなのに何故?記憶はこんなにも光と影を付けて
過去を刻み込むのでしょう