長男は保育器の中で、固定されたまま
空気は直接肺に送り込まれ
母乳やミルクは直接胃に送り込まれていました
目を閉じて眠っているか
身体を痙攣させているだけであり
”生きている”という以外、上手く表現できない
機械によって維持された生命でした
彼の生きている証は、電子音とともに表示される
心電図であり、各種数値でした
異常が検出されれば、保育器の赤ランプが点滅し
看護婦が駆けつけ、チェックと必要な処置を行うのでした
その状態は、くも膜下出血で倒れた後
救急救命病棟に横たわったままの
伯母の姿を連想させるものでした

目を開いた長男は
まったく別の存在になりました
私はそこに彼の未来を見、私と彼との未来を見ました
”目を開く”という言葉の
新しい意味を体験したといえるかもしれません