元事務局長に2年10月判決 千葉地裁「常習的に着服」 干潟土地改良区横領

 

千葉県干潟土地改良区(旭市鎌数)で使途不明金が判明した問題で、

同改良区の預金口座から現金を着服したとして、業務上横領の罪に問われた

元事務局長兼会計責任者で無職、高木進一被告(58)=旭市清和甲=の

判決公判が21日、千葉地裁で開かれ、伊藤大介裁判官は「多額で長期間にわたり

常習的に着服した」などとして懲役2年10月(求刑・同5年)の実刑判決を言い渡した。

 判決で伊藤裁判官は「横領額は合計3660万円と多額で被害結果は重い。

長期間にわたり多数回、常習的に着服した」と指弾。「先物取引で多額の

損失を出して追い込まれていたという動機に、酌むべき理由は大きくない」とし

「民事訴訟で不動産を売却して和解を提案し被害弁償に向け努力しているほか、

先物取引の和解金のうち6500万円を改良区に返還し、被害回復と

評価できなくはない」などと、量刑の理由を述べた。

 高木被告は「大きな事件を起こした。何とか償いをしていきたい」と述べた。

 判決によると、総務課長兼賦課徴収課長や事務局長などとして改良区の現金や

預貯金を管理し、2010年8月24日、同市内の金融機関で同改良区名義の

預金口座から現金300万円を、さらに香取市内の金融機関で200万円を引き出し、

同月26日に計500万円を自己の用途に使う目的で高木被告名義の口座に

入金して横領するなど、10~13年と昨年1・2月、計3660万円を着服した。

 改良区によると、着服額は約7億8千万円に上るとされているが、同改良区は

昨年10月、すでに時効となっている分を除き、

10年以降に計約3千万円を横領した疑いで告訴していた。

千葉県飯岡町の同町農協(椎名兼吉前組合長)で約36億5千万円の不正融資が
行われていることが20日、同県の検査で明らかになった。
手形交換所の審査を受けない、いわゆる不良小切手で決済するなどの方法で、
約6年前から前組合長や町議ら組合員五人に不正融資を重ねており、
うち約14億8千万円は現在、焦げ付き状態。

ほとんどが前組合長の指示によるもので、
前組合長本人にも3億円以上が融資されており、同農協では、告訴を検討している。
また同日朝、農協管理課長が自宅で自殺しているのが見つかった。

県の調べによると、同農協の融資限度額では1億5千5百万円。
前組合長は組合員5人に融資する際、一部の職員に指示して
名義を別の組合員やその家族など11人分に分割。
数十回にわたり追加融資を重ね、限度額を超えるのを
カムフラージュしていた。さらに県外の信用金庫の振出しで、
手形交換所の審査を通っていない不良小切手を
現金と見なして払い戻しに応じていた。

融資先は前組合長のほか、都内の不動産業者に約14億円、
同町内のブローカーや町議に13億ー数億円が流れていた。
県ではさらにう回融資されていた可能性もあるとみている。

同農協では平成2年12月の検査でも不正融資が明らかになっていた。
同農協は組合員3041人(うち準組合員は1724人)。
貯金残高は160億円で県内では中位。
 

椎名兼吉前組合長は昭和14年から同農協に勤務し、昭和55年に専務理事、
今年4月組合長に就任した。実質上ワンマン体制だったといわれ、
今年3月以降は回収計画書を審査する理事会も開かれず、偽造報告書が
県に出されていた。前組合長は不正の事実を認めており、20日付で辞任した。

「私は無関係」と遺書残し管理課長が自殺

20日午前9時20分ごろ、千葉県飯岡町萩園、飯岡町農協管理課長
高野和夫さん(59)が、自宅裏の物置内でビニールひもで首をつって
死んでいるのを家族が見つけ、旭署に届け出た。

調べによると、高野さんは、物置の中に止めてあった自家用車の中に、
「農協のごたごたとは関係ない」などと書かれた遺書めいたものを残していた。
同農協には今月7日から検査が入り、本店総務全般を担当していた高野課長は、
県農林部や県信連など上部団体からの事情聴取や対応に追われていたといわれる。

 


読売新聞 1992年(平成4年)7月21日(火曜日)