
「かもめ食堂」のスタッフと出演者が、前作の好評を受けて、再び集結して作り上げた“のんびり、ほんわか”な気持ちの良くなる映画です。
都会から大きなトランクを一つ提げて、一人旅で現実から逃れてきた訳ありの主人公が、携帯電話も繋がらない、海以外に何も観光するところのない南の島にある民宿「ハマダ」で、ちょっぴり奇妙な人々と交流する事で、人生を一瞬ふと立ち止まって考え、自分を見つめていく。
出演は、小林聡美、もたいまさこという荻上監督の作品には欠かせない実力派女優。
それに加えて、この作品から新しく加わったのが個性派女優の市川実日子。
彼女の存在感がまた格別です。
しかし、出演者全員が「めがね」をかけているという作品は他には無いかも!!
監督は、この作品では「旅」というものをモチーフにして、本当の豊かな気持ちとは何なのかとメッセージを送っています。
これ以上書くと、ネタばれになってしまいそうなのですが、この作品には、人間誰もが持っているスローライフへの願望に応えようとする監督の意図が見え隠れしています。
前作の「かもめ食堂」以上に劇的な要素は消え失せ、干渉されない寡黙な時間を淡々と描いていて、意識の底にある旅ごころを刺激する不思議な魅力がありました。
人間はプラナリアのように永遠の命は無いのですから、思ったようにのびのびと生きなくちゃと言っているような映画です。
それにしても、前作のときはフィンランドのヘルシンキでおにぎり食堂を開いちゃったという設定が面白くて、日本人のソウルフードともいえる、ごはん・梅干・しゃけ・おかか・海苔・味噌汁・漬物・醤油とかをすごく意識しましたが、今回の民宿「ハマダ」でのごはんや目玉焼きも、とても美味しそうでしたし、海辺のかき氷も食べてみたいし・・・「梅はその日の難のがれ」も実践する気になっちゃったし。
やはり、こころの休養には、食事が占めるウェイトは大きいんだなあと思います・・・。
ところで、この作品、受け手がその時に置かれている立場(気持ち)によって、違った感想が出てくる作品じゃないかと思います。
たぶん、繰り返して2度、3度と観ると、感じ方が変わるし、人によっては、台詞の少なさから眠気を感じる映画かもしれません。
でも、これを観て退屈になる人は、ひょっとすると現代病にかなり侵されているからかもしれませんよ・・・?
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