クワイエットルームにようこそ | 福島市発 チワワの虎太郎と組長の日記

福島市発 チワワの虎太郎と組長の日記

組長と呼ばれています。 福島市から、日々思いついたことなどを綴っています!

イメージ 1

『クワイエットルームにようこそ』 http://www.quietroom-movie.com/ を見てきました。
監督の松尾スズキが、芥川賞の候補となった自身の小説を映画化した異色コメディーです。

主演は内田有紀。
実生活で離婚をしたばかりの内田さんが、ちょっと痛々しい女性を演じています。
過去のさわやかアイドルのイメージを全否定するような体当たりの演技でした。
その脇を固めているのが、宮藤官九郎、蒼井優、大竹しのぶ、りょう、そして何とも贅沢なのは妻夫木聡の端役かな。

いや~よかったです。
こういう障がい者ネタを取り扱う場合は、コメディとシリアスのサジ加減が難しいです。
かなり笑えるんだけど、同時にとてもリアルな怖さを感じました。
さすが、本業が演出家・脚本家? の監督さん、演出最高です。
出演者が皆、役にハマッていて、映画に溶け込んでいます。
もちろん、蒼井さんや大竹さん達の芝居もいいってことなんでしょうけど、妻夫木くんなんか、最初は彼と気が付かなかった位です(笑)。

映画の中身は、ある日突然、精神科の閉鎖病棟に閉じ込められてしまったバツイチのフリーライター佐倉明日香(内田)の入院生活を描いていきます。
締め切りに追われ、編集者の催促に焦りながらパソコンに向かっていた明日香が、ふと目が覚めると、そこは拘束されたベットの上。
しかも精神科の閉鎖病棟!
どうして私はここに? あれ、記憶が全く無い・・・。
こんな、とんでもない設定から始まる物語。

精神病院だけあって、曲者だらけの患者たち。
ここの病棟に居る患者の多くは見るからに精神障がい者なのですが、マトモに見える人間が数人出てきます。
確かに見た目も小ぎれいだし、会話の内容もマトモ。
でも後半の展開はやたらと残酷で、患者たちの心の闇を見せつけられます。
精神病とは闇に心が支配されてしまうことかもしれません。
映画を観ている自分も、病棟の中の患者たちとは紙一重の違いではないかと思えてきます。

現代社会は価値観が多様化し、情報が溢れていて、それらを一つに絞り込むことは難しい。
だからこそ恋愛や仕事などに行き詰まる人が増えています。
行き詰まりはストレスに直結し、過度なストレスは精神障がいの引き金になります。

「死にたい…」などとチラリとでも思ったら、それは精神病と診断されるかもしれません。
何でもかんでも病名がつけられちゃう現代社会。
どんなにマトモな人でも病名なんてつけようと思えばいくらだってつけられる。
診断の結果、マトモな人が精神科の閉鎖病棟にちょっとした巡り合わせの悪さから、ある日突然、強制入院されてしまうことがあるかもしれない。
まあある意味、冤罪みたいなものです。

ネットにはまってしまうとネット依存症、パソコンについていけないならテクノ不安症、可愛いワンコが死んでしまえばペットロス症候群など、病名は選り取り見取りですから、現代社会においては、皆さんも一つや二つは、心の病を抱えているかも?
そうそう、ブログのアクセス数が気になってしょうがないだけでも、それは立派な病気らしいです。
いやはや、精神科の先生が儲かる時代になりました。

病棟の患者たちと接するうちに、徐々に自分を思い出し、本来の自分を見つけ出す明日香。
いい映画でした!!