現行の議会制度においては、与党議員と野党議員が同額の歳費を得ることができるために、野党議員は自分の身分さえ守られれば安泰であり、あえて無理して(余分に努力して)政権交代を目指すメリットはない。
それに、与党議員になれば、ならなければいけない仕事も増える。これでは損である。そもそも、与党議員と野党議員とでは、仕事量が全く異なる。野党議員のままでいられれば、党の議席数はともかく、自分が議員でいられさえすればそれでいい。歳費が同じだけ貰えるなら、あえて苦労して与党議員を目指さなくとも、できるだけ楽して歳費が貰えるほうがいいと考えるのは、人間の性である。これでは、インセンティブや競争原理が(選挙が終わっていったん当選してしまうと)全く働かない。
与党議員と野党議員の真の緊張関係が無く、野党議員にとってぬるま湯の環境であるため、政権を取ろうという気概がなく代替可能な対案を出そうとしない。ゆえに、野党は反対のための反対やマスコミ向けの子供じみたパフォーマンスに終始する。こうして、万年与党と万年野党というまるで五十五年体制に逆戻りしたかのような体たらくを晒している。
現行の議会制度は、野党議員の怠慢を生む。頑張っても頑張らなくても、同じ歳費が保障されている。建て前とは裏腹に、今の野党議員に、本気でこの国の民主主義や平和を守ろうという信念があるようには思えない。それより何より、自分自身の身分保障が第一なのが本音であろう。これでは、国民の負託に応え得る健全な議会制民主主義は機能しない。
よって、新たな解決策(特効薬)を示す。
①野党議員の(政務活動費を含む)歳費を与党議員の約3分の1にする。
②比例代表選出議員の(政務活動費を含む)歳費を、小選挙区(および参議院の選挙区)選出議員の歳費の約2分の1にする。
なお、比例代表選出議員で選挙後に政党を移動した議員あるいは除名となった議員は、議員資格を失うものとする。
また、小選挙区選出議員であっても、選挙後に個人として政党を移動した議員については、歳費の額面の増減は反映されない(選挙立候補時に所属していた政党がその時点で与党であれば与党分の歳費、選挙時に所属していた政党がその時点で野党であれば野党分の歳費となる)。
③野党の政党助成金は議席数の割合に応じた支給額の約半額とする。
なお、国会議員の一任期中に連立の枠組みが変わり与野党が変動した際は、そのつど(期間に応じて)議員一人当たりの歳費は変動するものとする。
④連立与党の議員総数は、衆議院と参議院(どちらか一方ではなく)どちらも国会議員総数の3分の2を越えてはならない。ただし、一党単独で衆参それぞれの国会議員総数の3分の2を超過する場合(単独政権の場合)はその限りではない。