存在性(BE)ー行動性(DO)ー所有性(HAVE)という概念があります。

みなさんも、どこかで学んだことがあるかもしれません。

BE(存在性)とは、ゲームのアイデンティティ(役割)を身に付けるということです。

DO(行動性)とは、一連のゴールに向かって、ゲームをプレーすることです。

HAVE(所有性)とは、ゴールを達成することですが、より本質的な定義では、触れたり離れたりできること、あるいは、自由に行き渡ることができることです。具体的には、セイタンのアンカーポイントを、自在にコントロールできることです。

巷間の多くの自己啓発セミナーや成功哲学(ジェームス・スキナー氏は除く)、あるいは、成功哲学を流用したニューエイジ・スピリチュアル(大衆スピリチュアル)や新興宗教などでは、「BE→DO→HAVE」と教わります。

すなわち、存在性(在り方)を身に付けてから、行動性(何を成すべきか)を明確にし、所有性(手に入れたいもの)を獲得しなさい、という教えです。

これは、何の検証も為されずに、自己啓発業界の中で、何十年も使い回されてきたものです。これらの教え(コンセプト)を学んでも、何の役にも立ちませんし、効果がありません。自己啓発業界では、これと同様の、人生の役に立たないコンセプトの使い回しが、たくさん存在します。

なぜなら、正しい取り組みの順序は、「HAVE→DO→BE」だからです。「BE→DO→HAVE」は、全くのデタラメだったのです。

人生というゲームは人間が、このBEーDOーHAVEという三つの要素を揃えることを要求します。人生とは、人間が、所有性に向かって、行動性を満たすために、存在性を身に付けるサイクルです。

この三つには、優先順位があります。存在性は行動性よりも重要です。また、行動性は所有性の価値には劣るものです。

しかし、重要性の順番と、人生において取り組むべき順番は異なります。一連のゴールにおいて、取り組むべき順番は正反対です。これは、自己啓発メソッドの逆説です。

所有したいもの(何を得たいか)を明確にすることで、何を行動すべきかということが明確化されます。そして、行動が明確化されたときに初めて、自らのアイデンティティや役割が決まるのです。

この取り組む順序が乱れたり、省略されるときに、人生の失望がもたらされることになるのです。

子供たちは、大人たちから、よく「大きくなったら何になりたい?」と質問されます。これは、完全に間違った取り組み方です。

あるいは、「人生で何をしたいの?」という質問もありますが、これも間違った質問です。

これほど無意味な質問はありません。

人生で成功を手に入れるためには、逆の順序で取り組まなければなりません。

最初に決めるべきことは、最終生産物(プロダクト)です。

最終生産物はHAVEです。

まず最初に、最終生産物(HAVE)を決定し、その最終生産物を創造するためには、何をする(DO)べきなのかを見い出さなくてはなりません。こうして、初めて、これを達成するためには自分が何である(BE)べきなのかを定めることができるのです。

多くの人が人生でうまくいかないのは、この正しい順序で取り組まないからです。

行き当たりばったり(成り行き)で身に付けた存在性が、結局、所有性をもたらすことのない、低い行動性をもたらすからです。

子供たちに、「人生でどんなものを創造したいか?」と質問したなら、その子供の人生は全く違った結果になるでしょう。その子供は、その最終生産物を創造するためには、何をしなければならないかを考えます。次に、それをするためには、自分が何になるべきかということを、明確に知ることができるのです。おそらく、存在性や行動性について質問をされた、その他大勢の子供たちの行動性を、大きく凌駕することでしょう。

これは、子供たちだけの問題ではありません。むしろ、大人こそが問題です。

あなたが、世界や世の中にもたらしたい違い」影響(インパクト)」は何ですか?

これを決めることでゴールが定まります。

ゴールが定まるから、ゴールからの逆算で自分が取るべき行動(DO)が割り出され、行動によってあなたが何者であるかという存在性(BE)がもたらされるのです。

多くの人はBEで身動きが取れなくなります。

BEに集中している人間は、所有性が棚からおちてくるのを、ずっと50年以上も待ち続けることになるのです。つまり、平凡で欲求不満のありきたりな人生という、最終生産物です

BEは多くの場合、地位や肩書きを意味します。

地位や肩書きは、あなたがもたらした生産物の結果得られるものです。ゴールにすべきものではありません。

人は夢を抱いても、たいてい実現することはありません。

なぜなら、その人のエネルギーはどこにも行き着かず、行動性をもたらさないからです。

ニューエイジ・スピリチュアル系の誰かに洗脳(感化)されて、私ってこのままで幸せなの。幸せって気付くことこそが幸せだってわかったの。」なんて考えるのは、現実から逃げているだけですからね。

その人は一生変わらないでしょう。なぜなら、そのままで幸せなんだから。これでは、変わる道理がないのです。

「とにかく、金だけ稼いで手段としてビジネスで成功したい」などと言うタイプの人も同じです。

結局、HAVE(最終生産物)をしっかり決めないから、「稼げれば何でもいいんだ」となってしまうのです。

そんな片手間志向で、成功した人間はいません。

自由になりたいとか、お金と時間の自由が欲しいってみんな思いますよね。

偉大な成功者を除いては!

偉大な成功者や偉大な指導者は、例外なく、自分がもたらしたい(影響を与えたい)、あるいは創造したいと考えるビジョンに情熱を捧げています。

本物の成功者は、そんな小さなことは考えてはいないのです。彼らは、自らのビジョンというHAVE(最終生産物)にひたすら集中しているだけです。彼らは、自分のことは眼中になく、世の中に影響を与えることに夢中なのです。

ニューエイジ・スピリチュアル系に洗脳されている人も、稼げれば何でもいいという人もオンリーワンなんです。

だから、騙されて金を巻き上げられていても気付かないのです。

ここでは、オンリーワンという言葉を悪い意味で使っています。

オンリーワンとは、自分の殻に閉じこもってしまう人々のことです

彼(彼女)らは、Think Smallなのです。

成功する人間は、例外なくThink Bigです。