エクササイズとしてのウォーキングをする際には、基本の立ち方が大事であるというお話をしてきました。
今回はそれに関連して、姿勢を改善するエクササイズについて解説したいと思います。
以前の記事で、立ち姿勢を改善するための方法として、ペットボトルを使った体幹トレーニングを紹介しました。
このトレーニングは、姿勢を維持するための筋肉を効率的に鍛えることを目的としています。
姿勢を維持するための主な筋肉は、脊柱起立筋、多裂筋、肋間筋、横隔膜、腹直筋、腹横筋、腹斜筋、腸腰筋、大臀筋、大腿四頭筋、下腿三頭筋などで、これらは抗重力筋とも呼ばれています。
いずれも、ヒトが二本足で立って歩くために必要となる筋肉です。
このうち、腹横筋、外腹斜筋、内腹斜筋、多裂筋は、インナーマッスルとして、横隔膜、骨盤底筋とともに腹腔内圧を高める働きがあります。
これらの体幹のインナーマッスルを、コア(マッスル)と呼びます。

体幹のコアを安定させるためには、腹腔内圧をコントロールする筋力を獲得することが重要となってきます。
また、良い姿勢、正しい姿勢を作るためには、コアを使って体幹が引き上げられた状態を維持できなければなりません。
そこで、そのためのトレーニングとして、ドローイン、ブレーシングなどのメソッドが推奨されてきました。
これらのメソッドは、呼吸とともにお腹を凹ませたり、膨らませたりする方法です。
実は、一般的にはあまり知られていないことですが、呼吸に使われる筋肉と体幹の抗重力筋は、ほぼ同じ筋肉なのです。

そこで、ユニバーサル・エクササイズでは、体幹の抗重力筋を鍛えて姿勢を改善する方法として、基本の立ち方で立って呼吸をするエクササイズを提案しています。
〈注意〉
このエクササイズは、意識的に呼吸筋を収縮させて呼吸をします。
運動直後にこのエクササイズを行ったり、息を無理に吸ったり吐いたりすると、一時的に低酸素状態になったり、過呼吸状態になって倒れてしまう可能性があります。
危険のない場所で、安静時に行ない、気分が悪くなったらすぐに中止するようにしてください。
また、逆流性食道炎など内臓疾患がある方は、このエクササイズを行わないでください。
呼吸筋のエクササイズは、三段階の方法に分けて行います。
まず、基本の立ち方で立ちます。
この時に大事なのは、良い姿勢を作ろうとして体を固めるのではなく、皿まわしのように各筋肉のバランスにより姿勢を維持する感覚で立つことです。
第一段階として、胸・腹・背中・わき腹を使って、前後左右の全方向に体を膨らませます。
すると、横隔膜が腹腔を押し下げる状態になり、肺に空気が入ってきます。
また、息を吸う時に使う吸息筋の収縮によって、体幹が引き上げられた状態になります。
この時、息を吸おうとして肩を上に持ち上げないように注意しましょう。肩の力を抜いて、呼吸筋だけを働かせるようにします。
次に、力を抜いて息を吐きます。
この段階では、無理に息を吐き切るのではなく、膨らませた風船がしぼむように、自然に息が出るにまかせます。
また、完全に脱力してしまうのではなく、体幹が引き上げられた状態を維持します。
このような呼吸をゆっくり何度か繰り返し、普通の呼吸に戻します。
第二段階は、同じように胸・腹・背中・わき腹を使って、全方向に体を膨らませたら、今度は体幹が引き上げられた状態のまま、お腹だけを凹ませて息を吐きます。
すると、今度は息を吐く時に使う呼息筋の収縮によって、体幹がさらに引き上げられた状態になります。
そして、息を吐き切ったら、お腹を膨らませて息を吸います。
このような呼吸をゆっくり何度か繰り返し、普通の呼吸に戻します。
次に第三段階として、同じように全方向に体を膨らませ、お腹を凹ませて息を吐いたら、今度はお腹を凹ませたまま呼吸を続けます。
この時、お腹を凹ませたまま、胸・背中・わき腹を使って呼吸を続け、体幹が引き上げられた状態を維持します。
そして、数秒間維持したら、普通の呼吸に戻します。
なお、お腹を凹ませた状態では、息を止めないように注意してください。
体幹が引き上げられた状態を維持するのは、初心者の方にとってはたいへんなことです。
最初は10秒程度を目標にして、少しずつ時間を長くしてゆくとよいと思います。
一回のトレーニング時間は短くてもよいので、生活の中の空き時間を使って、エクササイズを続けるのがコツです。