心配男と臆病女の閉曲線 | 北インド☆ゆるヨガライフ

北インド☆ゆるヨガライフ

ヒマラヤで出会った夫と、北インドローカル暮らし8年目。
お見合いが主流のインドで年の差婚、3度の流産、文化や習慣の違いに奮闘中。
スラム支援のNGOで働いたり、子宮腺筋症と共存しながらゆるーくヨガを続けたり。
40代インド生活の気づきと学びです。

大切な人ができると、それまでより臆病になる瞬間もあるのかなー?

私にはまだ、よく分からない。と言うのも今朝、3ヶ月ぶりに日本から戻った私に、夫がまた少し過保護になりかけてると感じた。

でも私は夫のことをあまり心配したこともなく、彼の将来が不安になって困ったりもしない。まだまだ健康そうだし。それに、彼の人生は彼の人生。夫婦と言っても、自己実現はまず、その人自身の課題というのが大前提。


一方で、夫の受けてきた教育も家庭環境も、私とは違ってる。彼の周辺の人々は、生まれた時から老いて行くまで、「○○として」という役割を演じる。子供として、長男として、夫として、父として。集団の中での立ち位置があり、欠かせない役割を担い、密な相互依存関係にある。

夫の家族は既婚女性は家事をするもの、という習わし。女性が外で職を得る価値など、取るに足らないもの。増してや一人旅をする女性など、誰も見たことも聞いたこともない。(新聞やテレビで見聞きする、性的暴行の被害者以外はね。)



夫が数日後、義兄の退職の儀式のために実家の村へ行くと言う。1泊2日だそう。「ひとりで留守番させてゴメン。必要なものは全部(食料等)買っておくよ」って。「大丈夫だからね」と。

「・・・・」

大丈夫に決まってるよね?たかが1泊2日。逆に何を心配されてるのか謎だった。

私としては、夫が家に居ないなら、この際どこかに行きたいなーと思ってた。それで去年から言ってたけれど、私の体調不良で実現してなかった、「ダラムサラにヨガの恩師を訪ねる」計画を再提案。
 

すると一気に、分っかりやすーく彼の顔色が曇る。しばらく視線を合わせずにいたと思ったらキッチンかどこかに行って、帰って来たら開口一番、

 

「君は僕と一緒にいたくないの?」と。
 

私「?。どういうこと?あなたが、私と一緒にいたくないってこと?」
 

夫「君が、僕と一緒にいたくないんでしょ?」

・・・・・

・・・・・

(会話が成立してません)


一緒にいたいと言うか、一緒にいるって決めたからわざわざ婚姻届も出したのに。何なの、文句があるならはっきり言ってと思い、


「私がダラムサラに行くことの何が心配なの?」って聞くと、

夫「結婚したら、女の人は一人旅なんてしないもんだよ」と。


おぉ?出たな、インドの役割分担制め、と、


「結婚してなかったら良いの?男は良くて女はダメなの?それとも、ダラムサラがダメでリシケシなら良いの?ヨガがダメなの?何が嫌なの?」と、思いつく限り聞いてみる。

 

夫「。。。結婚してるのに一人旅して何かあったら、誰が君を守ってくれるの?」

私「自分の身は自分で守ります。て言うか、あなたも守ってくれてるし?」

夫「だから、一緒にいなくてどうやって守るの?」

私「それって一緒に来てくれるってこと?」

夫「。。。僕はそんなに仕事休めない。」


(しばらく無言で朝食をつっつく2人。。。)




…って言う、不毛なやりとりの後の気まずい沈黙。。。この会話に関しては、私もかなり悪い。分かってゴネてる。だって価値観の丸っきり違う夫が一体何に苦悩しちゃってるのか、その真意を探りたかった。


きっと夫も混乱してるんだろう。前にも「家族も友だちも、誰も君みたいな突飛な事は言わない」って言ってた。経験のないことは分からないもの。でもねー、そんな自信のない事、それから他人の受け売りみたいな事言い続けてたって、日印同盟(ものの喩えです)の価値観の差は永遠に埋まんないよ。


夫「前に君が一人で長距離バスに乗った時、大変だったって言ってたよね?(セクハラ事件。いつか別記事で。)また同じ様な事が起こるかもしれない。

それに、少し前にも日本人女性旅行者が被害に遭ったばかりじゃない。」

私「。。。あの時は私、自力で自己防衛したんだよ。相手も半ベソで謝りたそうにしてたよ。キモチワルイから見ない様に逃げたけど。確かに被害に遭ってしまったら取り返しがつかないから、極力安全で人目のある移動手段を使って、知り合いが何人もいるダラムサラに行くんだよ?それでもダメなの・・・?」


夫「・・・・君は言い出したら聞かないもんね。日本にだって3ヶ月も行ってたばかりだし。帰って来たと思ったら、またすぐ行っちゃうんだね。」

私(日本に行くのは賛成してたのに、今更持ち出すか?)「あなたと一緒にいたくないって言ってるんじゃなくて。私が去年からずーっと体調が悪くて(妊娠流産×3)何処へも行けなかったの知ってるよね。ヨガがしたいの。体調整えないでインドで暮らす自信もない。どうして協力してくれないの?」


夫「家でヨガしてればいいじゃない。僕が助けようと思っても、いつも自分のやり方を通そうとするから、助けようがないよ。。。いいよ、行きたい時に好きな所に行けば。行っておいでよ。」


私(そんな風に言われて行けるかーい怒)



…と、あまりの平行線だった。お互いに、お互いの想いが汲めてない。。。そんなやり取りも、夫の出勤時間と共にお開きに。それで家の事をやりながらこのモヤモヤについて考えてみて、さっき何とな~く分かったことがある。


彼を心配させる行動をしてるのは、

やっぱり私なんだってこと。

 

問題は、私がそれをしたいかどうか?ってこと。

 

ヒマラヤの麓で育ったリンゴたち。夫の幼馴染からの差し入れです。甘酸っぱくて美味!



夫は、私がやっと日本から帰って来たことを手放しで喜んでくれた。文句なんて一言もなく。ただ元気でと見送ってくれ、お帰りと温かく迎えてくれて。この3ヶ月で別人の様に真面目に家事をする様になったし、毎朝ジムにも通ってる。休みの少ない仕事も、以前は辞めたいと言った事もあったけど、式を挙げた去年からは全く口にしなくなった。「責任感」が強いのは、断然彼の方。

私は、そんな彼の努力とか、口には出さない想いを、簡単に自分の要求だけで踏みにじってるのかもしれない。それに、彼が私に過保護になるのは、元々は私がヒンディー語もできず外出もままならなかったから。その後ずっと私の体調が悪かった時も、彼はいつも私を最優先して頑張ってくれていた。

あの頃は心配してもらわなきゃ何一つ出来なかったのに、元気になったらもっと外の事に気持ちが向いてしまうなんて笑。それはそれで健全だけど、やっぱり少しは反省しようと思う。


昼食を終えてから、いつものメッセンジャーで、夫にゴメンと言ってみる。さっきはあなたの気持ちを考えてなかった、と。あなたはいつも私のことを思ってくれてる、改めてそう感じたよ、って。彼は、何も心配しなくて良いって言った。




「心配」ってヤツは、やっかいな人だ。それは愛情でもあるし、取り越し苦労の場合もある。私は後者が苦手なの。ただでさえビビリーなのに、折角奮い立たせたなけ無しの勇気で、お願い、このまま飛ばせてよと思う。笑

でも、もう1人じゃないんだ、本当に。飛んで落ちたら、私は笑ってイテテテテでも、めっちゃ傷つく人がいる。ついでに自分を責めちゃうかもしれない。どんな理由があったとしても、それだけはして欲しくないもんね。


しばらく逃げてたお家ヨガとも、もう一度向き合う時が来た。笑