時代劇といえば、水戸の黄門様やら、暴れちゃう将軍様とか、必殺技をもつ裏家業のとか、いろいろあるわけですが、小市民のお気に入りは何と言っても御家人斬九郎です。
侍、御家人、将軍家から枝分かれした家系、そんなしがらみに絡み付かれながらも、下手に剣の腕が立つため、武士として期待する回りから逃げるに逃げられない。
憎まれ口を叩きながらも大好きな母親を食べさせるために、その戦闘能力で人前に出てこない仕事を請け負って金を稼ぐ日々。
しかしながらそれに納得できず、無頼を気取り、酒をかっくらい、芸者遊びをして憂さを晴らす毎日。
それでも人情と理不尽には目を背けることもできず、いろんな事件に巻き込まれていきます。
なんだかねぇ、働かなきゃ生活できないからやりたくもない仕事をしてゲームで憂さを張らしている自分に重なってしまって、そしてついつい蔦吉姐さんを見たくて、年に一回は見直してしまうのです。
まぁ、渡辺謙さんの斬九郎を見たいのもありますが、若村麻由美さんの蔦吉姐さんがまた絶品でして。
口元がかわいいんですねぇ。
仕草がいちいち艶っぽい。
鉄火な町娘と威勢の良い辰巳芸者の合わせ技から繰り出される啖呵がまた堪らんのです。
くっつくのかくっつかねぇのかさっぱりわからん二人の間柄も、粋といなせと意地の張り合いとでも言うのか、面倒くせぇやつらだと思いながらもそんなやり取りがなければ、寂しいと思わせるものになってます。
※ 原作では斬九郎と蔦吉は最初から男女の仲ですが、ドラマでは男女の間に色恋なしの友情は成り立つのだろうかという長年の研究テーマの一例になりそうな間柄です。え?意味わからん?原作よんで、ドラマを通して見てみたらわかりますよ。ちなみに原作はこちら。
『御家人斬九郎』 柴田錬三郎 著
集英社 or 新潮文庫、もしくは電子版もあるようです。
第一シーズンは原作をなぞったものになっておりますが、第二シーズンからは徐々に世界観が
・・・なんというか緩んでいきます。
いや、悪い方向ではないので、浪人小説から下町の時代劇ものにシフトしたような感じといいますか・・・シフトしてねぇな。
とにかく起こる出来事は普通の時代劇なのに、なぜか斬九郎と蔦吉がでてくると別物になっているのです。
存在感、ってぇやつなんですかねぇ。
御家人斬九郎に関しては、個人サイトも複数あります。
DVDやブルーレイにはなっていないのですが、時代劇専門チャンネルでは、しつこく放送されるものですので、機会があれば、一度その世界観を楽しんでみてください。
※ どこぞのネット情報ですが、Amazon Prime で第一~第五シーズンまで視聴できるのだとか。DVD・ブルーレイにはなっておりません。販売するはずだったが、中止になったらしいという情報もありました。真偽は不明。
あなたのテレビライフと現実生活に幸ありますように。