呪いのバトン
それは夜が空を覆い始めた17時すぎのこと。
プルルル・・・・
鳴り響く携帯電話。
画面に目を落とすと、見慣れた名前がありました。
「もしもし~」
「お、俺・・・急性胃腸炎になったみた・・・」
その直後のことです。
突如わが胸に何かが迫り、我が腹に何かがくだるのを感じたのは・・・
シラフで便器とのディープなダンスがはじまりました。
前、後ろ、前、後ろ・・・
エスコートしてくれない日本男児な便器のかわりに、
自分の体にすべてを預け、
本能のおもむくままに髪を振り乱しました。
思い返せば、その電話の主とは3日前に同じカキを囲んだ同志。
きっと、あれですね。
噂には聞いていた
「呪、もといノロ」というやつです。
幸い、私は2日ほどでスッキリしたわけですが、
“呪”といわれる所以を身にしみてわかることになりました。
翌日のことです。
トイレに母がたてこもっているではありませんか!!
ジーザス!!
ご察しのとおり、母に感染してしまったのです。
ツラさを誰よりも分かっている私。
家にもちこんだのも私。
うつして治ったのも私。
いたたまれなくなり、家を飛び出しましとさ・・・・・
ウソです。隣りで同情していました。
マミーごめん・・・